『The 2nd Life -第二の選択-』インタビュー
THE ALFEE、“新たな生き方を見つける”という姿勢 「生きていれば何度でもやり直しはできる」
THE ALFEEが、70枚目のシングル『The 2nd Life -第二の選択-』を7月28日に発表した。
コンスタントな新曲発表、無観客ライブ配信、トーク&ライブによる配信番組など、急変した世の中でも常に未来への希望をつなぐ活動を続けているTHE ALFEE。1年ぶりとなるシングル表題曲「The 2nd Life -第二の選択-」で届けられたのは、「新たな生き方を見つけて新しい時代を生き抜いていこう」という今にこそ響くポジティブなメッセージだ。THE ALFEEの3人に大きな影響を与えたフォークロックグループ・ガロへのリスペクトを込めた新曲「光と影のRegret」とともに、異なる角度から“人生における選択”について考える機会が与えられたような作品である。
高見沢俊彦、坂崎幸之助、桜井賢は本作をどのような思いで制作したのか。現実と向き合いながらも新たな世界を見つめるその姿勢に多くの勇気がわく取材となった。(編集部)
「僕らはどう新しい未来を生きていくか」“セカンドライフ”に込めた思い
ーー2020年12月に行ったインタビュー(参考:THE ALFEEが語る、2020年に作品と活動で繋いできた“希望” 相次ぐリリースから配信番組まで、その歩みの中で得たもの)では、無観客配信ライブ(『THE ALFEE 46th Birthday 夏の夢 2020 SUMMER8.24-25』)や配信番組『Come on! ALFEE!!』などの新たな挑戦を通してお考えになったことについて伺いました。2021年に入ってからは、どのような気持ちで過ごされていますか。
高見沢俊彦(以下、高見沢):基本的には変わっていないです。春のツアー(『THE ALFEE Best Hit Alfee 2021 春の夢のつづき』)もできなかったし、恒例の夏のイベント(『THE ALFEE 2021 Summer Baby, Come Back!』)も緊急事態宣言が発出されてしまったので、有観客での開催は断念せざるをえなかったですね。
坂崎幸之助(以下、坂崎):あっという間だな、半年って。
高見沢:ホントあっという間だよな。去年から始めた『Come on! ALFEE!!』もシーズン2だしね。
ーー桜井さんはこの半年間を振り返ってみていかがでしょう。
桜井賢(以下、桜井):私、ライブしかやることがないんですよ(笑)。なので配信番組や配信ライブがあってよかったです。以前のようにコンサートも気軽に行けない状況ですが、配信で全国の方々に見ていただけたこと、我々の顔を見せられたことはよかったと思います。
ーーそして今回、シングル『The 2nd Life -第二の選択-』がリリースされました。この半年間、楽曲制作は続けていましたか?
高見沢:ライブがいつ始まってもいいようにずっと創作活動は続けていましたね。ライブを行う時はやっぱり新しい曲があった方が刺激になるし、ファンの方にも楽しんでもらえますから、そこは止めずにやっていました。
ーー表題曲の「The 2nd Life -第二の選択-」は、ある意味コロナ禍の状況を踏まえたメッセージが込められていると感じます。
高見沢:そうですね。こういう状況になっていなければ生まれてこなかった曲です。また、アフターコロナの意味合いも同時にあって、コロナ以降に「僕らはどう新しい未来を生きていくか」、そういった思いも込めています。
ーー坂崎さんはこの曲に込められたメッセージをどのように受け取っていますか?
坂崎:最初は“セカンドライフ”と聞いた時に、高見沢が引退して農業でもやるのかなって(笑)。
高見沢:釣りよりはいいかな(笑)。
ーー 一般的に“セカンドライフ”にはそういう意味合いもありますね(笑)。
坂崎:(笑)。だけどこの曲が前向きな歌でよかったです。この状況がいつまで続くのか、みなさん本当に不安だと思います。それでもいずれは乗り切ることができると信じていますが、そのときは新しい生活や生き方が大事になってくるだろうなと思うんです。そういった意味合いも、この曲には込められていると感じました。
ーー桜井さんはいかがでしょう。
桜井:今のような状況を体験すると、もう今後同じ世界には戻れないと思うんです。コロナ感染拡大による影響が今後も続くと考えると、いかにそれを克服していくか、一緒に生きていくために何をすべきかを考えなければいけないんですよね。これから先は、これまでとは異なる日常生活になるかもしれないけど、心の準備はしておきたいなと思います。
ーー桜井さんはこの曲でメインボーカルを務めています。“これまでとは違う未来”の話をポジティブに歌っているように聴こえました。
桜井:この楽曲を通して、聴いてくれる方々に少しでも元気になってもらいたい。ライブはできなくなってしまったけど、レコーディングはできるわけだから、新曲をリリースすることで少しでも多くの人に希望を与えたいですね。
ーー高見沢さんも、聴いている方々に希望を与えたいという思いは常にありましたか。
高見沢:そうですね。常々お話していますが、歌が希望であることは僕らミュージシャンの願いですから。今のこういう時代においては、新曲を作って歌い続けることが我々の使命のひとつなのかなと思います。だから「The 2nd Life -第二の選択-」は、「新たな生き方を見つけて新しい時代を生き抜いていこう」という思いを前提に考えていきました。
ーー曲はドラマチックなイントロから幕を開けますが、歌が始まると優しいムードが展開されます。ここの対比もすごく聴き応えがありました。
高見沢:イントロにこだわるTHE ALFEEですが、これはかなり強めですね。コーラスで始まって、激しいのかなと思ったらいきなりDチューニングのアコースティックが出てきて、ガラッと印象が変わりますからね。この構成は、今現状立ち込めている暗雲を振り払うイメージなんです。
ーーサウンドの中にストーリーがあるということですね。
高見沢:そうですね。いきなりAメロから始まるとすごく大人しい曲になってしまうので、そこは工夫しました。
ーー“The 2nd Life”というワードでは、“第二の人生のスタート”が表現されているようにも感じました。THE ALFEEとしても新しい挑戦を重ねていますが、そういうバンドの状況とも重なる部分がありますね。
高見沢:そうですね。僕らがこれまで長年やってきたコンサートツアーがコロナ禍でできなくなってしまった時期に新たな試みとして始めたのが『Come on! ALFEE!! 』ですが、歌以外で3人でできることをやってみたわけです。最初はトークを軸にした番組って、どうなんだろうなと思っていたら意外とそれが好評で。これはもう新たなセカンドライフとも言えますし、コンサートができるようになってもこういう配信は続けていきたいと思っています。
坂崎:配信では撮り下ろしのパフォーマンス映像を毎回必ず数曲入れているのですが、ファンの方にとても喜んでいただけているようですね。知っている曲でも新しいステージセットで今の僕らが歌っているので新鮮に感じていただけているんだと思います。ツアーが始まってもコンサートに来れない方は多いと思うので、配信という形で新しい映像や、撮り下ろしのライブ映像を届けることは大事になってくると思います。
ーーお客さんとコミュニケーションをとる上での大事なコンテンツになっているんですね。
坂崎:そうですね。コンサートとは少し違うけど、これも一つの方法になればいいなと。深夜ラジオみたいな雰囲気で、言ってることはくだらないことばかりなんですけど。
高見沢:これからはコンサートでは音楽、配信ではトークやコント、みたいな二本立てになるかもしれない?
ーー桜井さんは、そういった新しい取り組みをどう捉えていますか?
桜井:配信で何かをするなんて、考えもつかなかったことですね。ただ、配信する時は2時間まるまる撮影していて、ワイプで抜かれる時はずっと画面に映っているから、寝るわけにもいかない(笑)。
高見沢:寝ちゃダメよ。
坂崎:でも、寝たら寝たで“ネタ”になりますからね(笑)。
桜井:サングラスしてるから寝ようと思えば眠れますよ(笑)。こういう新しい試みに対して最初は不安もありましたけど、実際にやってみたら楽しかったです。映像を通して我々が元気であることを発信することが、大切なんだと思います。特に私はライブがないと「本当に桜井さん元気なんですか?」とファンのみなさんに心配をかけてしまうこともあるので(笑)。配信が始まってからは、元気な姿を見せることができているので非常によかったですね。