Kis-My-Ft2、ドラマ主題歌への連続起用で確信するグループの成長 新曲「Fear」が誘うサスペンスフルな世界

〈愛はいずれ消えますか?〉

 「愛」という言葉を歌っているにも関わらず、温度を感じない玉森の歌声。「Luv Bias」ではあれほど強く温かく〈愛してる〉と歌っていたにも関わらず、だ。だが、これは玉森に限らず、楽曲の世界観に合わせた歌い分けのスキル・表現力が、グループとして確かに高まっている今だからこそ、こうした楽曲を歌えるのかもしれない。

 同曲の特徴として、メンバーが順にソロで歌い繋いでいく点が挙げられる。まさに「Luv Bias -another-」と同じ形式だが、例えば二階堂高嗣のパートはラップ調が用いられるなど各々の個性が際立つ。まだ楽曲の全貌は明らかになっていないが、個と個が和を成すキスマイだからこその見せ方を「Fear」のパフォーマンスにおいても期待したい。

 先述した「Luv Bias -another-」の地上波テレビ初披露時、SNS上にはファン以外からも反響が寄せられた。10周年を目前に、個々を活かす表現ができるグループなのだと、広く知られる機会となったことだろう。大型歌番組が続く夏、キスマイのパフォーマンスを目にすることも多いが、いずれの番組でも一度は目にする7人横並びの姿。前列・後列と呼ばれたデビュー時の声を逆手に取るように、多彩なフォーメーションを魅せる。

 音楽性、歌割り、共にこれまで発表してきた楽曲のなかでも特に新鮮に感じられる「Fear」だが、キスマイにとっては決して冒険ではない。そして挑戦でもなく、まぎれもない確信なのだ。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter(@akino_ippo)

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