ACAね×Rin音×Yaffle『キャラクター』主題歌がバイラル首位に　ボーカルの個性と刺激的なビートで味わう“抜群のスリル”

　ずっと真夜中でいいのに。で詞曲とボーカルを務めるACAね、2020年『日本レコード大賞』で新人賞を受賞したラッパーのRin音、藤井風などのプロデュースで昨今一気にプロデューサーとしての知名度を上げたYaffleが、映画『キャラクター』のために作り上げた楽曲は、少しハウリングしたような低音のリズムが耳に残るミディアムチューンだ。刺激が入れ替わり立ち代わり、華麗に、静かに迫ってくる。強烈なフックで聴覚に瞬時にインプットされる混沌としたイントロ、低音やブレイクビーツを効果的に使ったRin音のラップパート、クリアながら憂いある声質と抜群のリズム感を生かしたACAねのボーカルパートなど、強い個性とファクターが決してぶつからずギリギリのラインで飛行を続けるような、実にスリリングな1曲である。映画『キャラクター』のダークな世界観、救いのなさ、人間の二面性などをメリハリあるサウンドアプローチでまとめたYaffleの手腕もお見事。また、曲の最初と最後に同じ構成を持ってくることで、連鎖を彷彿させるあたりには、映画『キャラクター』の音楽をすべて手掛けたYaffleならではの、映画に対する解釈を感じる。

　映画『キャラクター』は、菅田将暉×Fukase（SEKAI NO OWARI）というコラボレーションで公開前から話題をさらった。そして今、ACAね×Rin音×Yaffleというコラボレーションでも話題をさらおうとしている。ちなみに、映像×音楽のマッチングとして、非常にハイクオリティなひとつの作品になっている映画『キャラクター』の予告編で、最後に作品名を告げているのは、ACAねである。

■伊藤亜希
ライター。編集。アーティストサイトの企画・制作。喜んだり、落ち込んだり、切なくなったり、お酒を飲んだりしてると、勝手に脳内BGMが流れ出す幸せな日々。旦那と小さなイタリアンバル（新中野駅から徒歩2分）始めました。
Piccolo 266 インスタグラム（@piccolo266）