LOONA、日本デビューを機にSPECIAL CLIP撮影に潜入 神秘的なムードの中に捉えられた“プロとしての意識”

LOONA、SPECIAL CLIP撮影潜入

 グループショットの後は個別の撮影へ。メンバーらはLEDの色が鮮やかな“雨と月光の部屋”に移動した途端に大はしゃぎ。「うわあ、素敵」「最高!」と喜びながら、すかさず記念写真を撮り合う。次に向かった“波の部屋”では、再び12人でのきらびやかなダンスフォーメーションを披露して「favOriTe」のすべてのスケジュールは終了。続いてもう1曲「Butterfly」の撮影がスタートした。

 この曲は2019年2月に発売された1stミニアルバム(リパッケージ盤)『X X』のリードトラック。幻想的なメロディラインとエッジの利いたリズムトラックの組み合わせが心地よく、音楽関係者からの評価も高い。また、少女の揺れ動く感情とグループの未来を重ね合わせた歌詞は、従来のアイドルの枠から大きく外れたテイストがある。LOONAがファンのみならず、国内外の音楽マニアをも魅了するのは、こうしたアーティスティックな曲作りが大きく貢献しているのだ。

 まずはメンバー全員揃ってのダンスの撮影から。カラフルな花が舞い踊る空間でしなやかに動く彼女たちはまさにバタフライ(蝶)のようである。次は美しい花が咲き乱れる部屋でチーム別のカットを、そして無数のランプが並ぶ“ランプの森”では個別のカットを同時進行で撮影した。ランプの色が変わるたびに大喜びするメンバーたち。「すごーい」「うわあ、不思議ですね」と覚えたての日本語でしゃべる様子が可愛らしい。

 6時間近く続いた撮影もいよいよラスト。リードボーカル担当のヒジンの全身に、サナギから蝶へと変わっていくデジタル映像を投影するというミステリアスなシーンを撮り終えると、「お疲れ様でした!」という元気な声が飛び交い、あちこちから大きな拍手が鳴り響いた。

 ちなみに撮影した日の夜は新月(太陽と重なり合ったときの月)だった。願い事が叶うと言われる新月の日の撮影は、このグループにどんな幸運をもたらしてくれるのだろうか。いよいよ日本デビューが決定し、周囲の期待が高まる中、LOONAの“その時”はすでにカウントダウンが始まっているのかもしれない。今からしばらくの間、ファンはもちろん、K-POPリスナーも彼女たちの動向から目を離さないでほしい。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。最新刊は『K-POPはいつも壁をのりこえてきたし、名曲がわたしたちに力をくれた』(イースト・プレス)。

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