内田彩、今井麻美、和氣あず未……鬱屈とした6月を晴らす女性声優の最新作

　今年『第十五回 声優アワード』にて新人女優賞にも選ばれた和氣あず未の4thシングルは両A面で、「Viewtiful Days!」は自身もフラットルテ役で出演するアニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』（TOKYO MX・BS11・AT-Xほか）のEDテーマ。速いBPM、めくるめく転調、それでいて各パートがキャッチーと騒がしさすら感じる楽曲だが、それら高いと感じるハードルを楽しげに飛び越える和氣の歌声が特に光る曲だ。天気や気分に左右されない、勢いでとにかく邁進する姿が想像されるパワフルなポップチューンとして耳を傾けてほしい。

　また、もう1曲の表題「記憶に恋をした」は切なさが染みわたるミドルナンバーで、和氣の繊細な表現が落とし込まれた楽曲に。そのほか、マスクを付けた日常を題材にしたエレポップ「2030」、そして梅雨時期の重たい空気とシンクロするような「hopeless」と、最新シングルにして4曲それぞれで異なる表情を味わうことができる。

　3人それぞれが各作品で、さらには1曲1曲で豊かな歌声を聞かせ、曲調や歌詞といった一聴してわかる部分はもちろん、ストーリー性や曲順でも私たちリスナーの気分を揺り動かしてくれる。モノクロな6月を、ぜひ声優たちの音楽で乗り切ってほしい。