Mellow Youth 石森龍乃介&伊佐奨に聞く、音楽への目覚め 対照的なツインボーカルによるバンド結成に至るまで

Mellow Youth、結成に至るまで

好きなのはOfficial髭男dismのような音像(伊佐)

ーー1曲の中で、どのパートを石森さんが歌って、どのパートを伊佐さんが歌うかはどの段階で決めているんですか?

石森:まず曲を完成させて、メロディとかも出来上がって、スタジオで歌いながら「ここは俺が歌った方がいいかも」「ここは伊佐に歌ってほしい」みたいな感じで割り振っていくことが多いですね。あと、伊佐はギターを弾いていて手元が忙しかったりするときもあるので、それも考慮に入れつつ歌い分けを決めていきます。

ーーサウンドの質感は、どのようなものを目指していますか?

伊佐:個人的にはOfficial髭男dismのような、下から上までしっかり鳴っている音像が好きですね。ただ今作『MID LINE』に関しては、1980年代のシティポップなイメージというか。歌詞の中に出てくる“雨”という言葉が象徴するような、湿気の高いサウンドを意識しています。考えてみると、これまで僕らが聴いてきた楽曲に「梅雨」を歌っているものってそんなにないなと思ったんですよ。

ーー確かに全体的に湿度が高いですし、歌詞は情景描写多めですよね。

伊佐:先ほどの話にもあったように、とにかく情景描写が好きなので、聴きながら映像がイメージできるような歌詞をなるべく書きたいなと思っていて。

石森:タイトル曲「MID LINE」では具体的に“東京”と歌っていますけど、特に場所を特定しているつもりもないんですよ。例えば“海”もきっと東京湾ではないと思うし、聴いている人それぞれが思う「都会の雨」をイメージしてほしいですね。

ーーそれに、今回収録された3曲はどれも車からの景色や車にまつわる情景を描写していますよね。「MID LINE」は〈海沿いのドライブイン〉、「y.e.t」は〈バスの窓越しリピートしたって〉、「My name is」は〈不機嫌なマイカーを走らせて〉とあるし。

石森:確かに! 車の表現が結構多いかも……僕ら免許持ってないのに(笑)。というか、運転していないからこそ景色に目を向けやすいんですよね。

ーーそうするとやっぱり、ツアーの移動中などの景色からインスパイアされて曲ができることが多い?

伊佐:そうですね。あとは映画やドラマ……自分が過去に見て「めっちゃいい景色だな」と思ったことや、印象的な写真なども覚えておいて、それにドラマ付けしていくことも多いです。

石森:映画は僕も多いですね。あとは、全く関係ない景色の写真とかを家でずっと見ている時があって。その時は特に何も考えていないけど、「そういえばあの時すごくいい写真があったな」とか思い出して、そこから歌詞を書くこともあります。テレビ番組でも、例えば『世界まる見え!テレビ特捜部』とか、『世界の果てまでイッテQ!』みたいな番組にインスパイアされることもあります(笑)。

伊佐:確かにそれはあるね。

ーーところで以前のインタビューによれば、バンド名の「Mellow Youth」には、成熟した「大人」の部分(mellow)と「若さ」の部分(youth)、その両面を持ちあわせたバンドという意味が込められていると聞いたのですが、そういうテーマは歌詞世界の根底にも流れていると思いますか?

伊佐:前作『Actor's/Odor』は、大人っぽくありたい男の人や女の人をテーマにしていたので、そういう意味では歌詞に落とし込むこともありますね。

石森:個人的に思うのは、人って大人になってもわがままだったり、何かしら不満を抱えていたりするじゃないですか。みんな心の奥底はどこか子供のままだと思うんですよ。例えば「MID LINE」の歌詞には、失恋して一人部屋でピアノを弾いている男が出てくるんですけど、それも側から見たら滑稽な姿じゃないですか。別にこの曲の歌詞を書いている時には、Mellow Youthの意味は考えていなかったけど、でも意識しなくても心の中にあるモヤモヤを歌詞に落とし込んでいくと、自然とそういうテーマになっているのかもしれないですね。

ーー今後、バンドとして叶えたい夢はありますか?

伊佐:夢はやっぱり『紅白』出場ですね。実家が石垣島なので、テレビとかに出ないとちゃんと活動していることを証明できないんですよ(笑)。

石森:あははは。そうだね、地元に届けるにはテレビに出なきゃ。

伊佐:あと、でかいところでライブはやりたいですね。アリーナ、ドーム……やってみたいです。

石森:僕は実家が山梨なので、『SWEET LOVE SHOWER』には毎年行ってたんですよ。それ以外は行ったことがないけどフェスの雰囲気は大好きなので、日本の野外フェスには全部出たいです。きっと、いろんなアーティストと話せる場所があると思いますし、すごい人たちのステージを間近で堪能したい。その人たちと同じステージにいつか立つことができるよう、これからも頑張ります!

『MID LINE』
『MID LINE』

■リリース情報
2021年6月23日(水)Release
New Single『MID LINE』(読み:ミッドライン)
<収録曲>
01. MID LINE
02. y.e.t
03. My name is
(読み:01. ミッドライン 02. ワイイーティー 03. マイネームイズ)
価格:¥900(税込)  品番:ESCD-0006
発売元:e-SWEEPS Records / JMS
*TOWER RECORDS Limited release.

■ツアー情報
『MID LINE Release Tour』
2021年07月29日(木)名古屋アポロベイス
開場18:30 / 開演 19:00

2021年07月30日(金)心斎橋Pangea
開場18:30 / 開演 19:00

2021年08月08日(日)TSUTAYA o-nest
開場17:30 / 開演 18:00

券種・料金: 全自由・¥3,000(ドリンク代別途必要)
出演:Mellow Youth / +Guest band(2man)
主催:e-SWEEPS Records
企画制作:Sanmyaku / JMS
チケット購入:e+(https://eplus.jp/mellowyouth/)
プレオーダー受付:6月17日(木)18:00〜6月27日(日)23:59
問い合わせ: https://mellowyouth.com/

オフィシャルサイト  : https://mellowyouth.com 
Twitter : https://bit.ly/2WLF2qv  
Instagram :  https://bit.ly/2UunvWn
Youtube : https://bit.ly/2HZCDoT

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