V6『僕らは まだ』90年代をキーワードに土岐麻子、Rin音、ReN参加曲を紐解く 3曲が映し出す過去との別れと化学反応

 対して、カップリング曲の「95 groove」は新世代ラッパーのRin音が作詞作曲に参加。Rin音らしいゆったりとしたビートによる日常感漂う雰囲気が魅力の一曲だ。1998年生まれのRin音にとってみれば、V6がデビューした1995年は生まれる前のこと。さらに、もう一曲の「Heart Beat Groovin’」を手掛けたReNも1994年生まれだ。いわば、過去のV6をリアルタイムでは知らない世代が作った楽曲をV6が歌っている。新しいセンスを持つ若手たちの鳴らす旬のサウンドに身を委ねるV6の歌声は、まるで水を得た魚のように躍動感にあふれている。20年以上のキャリアを持ちながらもなお保たれている熱量と、フレッシュな若さとがぶつかり合い、今までにない新鮮な化学反応が起きているのだ。

 多様なアーティストを起用した今回のシングル。そこには、90年代をキーワードにして過去との決別をはかり、新しい世代と手を取り合いながら、未来へ向けて動き出した彼らの勇敢な姿がある。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi/https://twitter.com/az_ogi)

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