EXILE THE SECOND NESMITH、パワフルにメッセージを届ける歌唱 楽器やダンスも器用にこなす“人懐っこい愛されキャラ”

EXILE THE SECOND NESMITH、メッセージを届ける歌

 『ASAYAN』放送時には、若さ溢れるクリアなハイトーンボイスが持ち味だったが、現在は、ハスキーな声質でパワフルに歌い上げるイメージが定着しているEXILE NESMITH。ブラックミュージックから影響を受けたグルーヴィーな歌唱スタイルと、日本人ならではの歌心が融合していることが、彼のボーカルの大きな魅力と言えるだろう。かつて一緒にジャズピアノを習っていた妹が「兄は譜面なんか読めなくても、一回聴いたら弾けちゃうタイプ」(※5)と紹介するように、ずば抜けた音楽センスを持ちながらも、なによりも歌詞に込められたメッセージを丁寧に届けようとする姿が印象的だ。「My Place」や「Dear…」といった自ら作詞している楽曲をはじめ、彼の歌には、優しい人柄や歩んできた人生までもが滲み出ている。実は中学時代にいじめられていた経験があるそうだが、だからこそ、苦労しながらも夢を叶えた彼が発信する言葉はとても説得力があり、その存在に救われた人も多いのではないだろうか。

 一方で、EXILE第三章ではパフォーマーとしてグループを支える場面も多く、現在も“ボーカルなのにダンスが上手すぎる”と定評あり。記憶力も良いため、EXILE TETSUYAが「すごい昔の振りとか覚えてますから、たまに、パフォーマーがネスに振りのことを聞きに行くことがあるぐらい」(※6)と語るほど、ダンスに関しても頼りになるメンバーのようだ。ロック好きとしても知られており、EXILEの「RED PHOENIX」では、EXILE SHOKICHIがドラム、EXILE NESMITHがギターを演奏し、EXILE新章の幕開けを告げた。ちなみに、同曲で弾いているギターは、もともと大ファンだったというGLAYのTAKUROから譲り受けたもので、過去には、LUNA SEAが主催するロックフェス『LUNATIC FEST. 2018』をプライベートで観に来ていたEXILE NESMITHが、GLAYのステージに緊急参加したことも。その後もGLAYの公式モバイルサイト「GLAY MOBILE」の会員限定ツアーにEXILE NESMITHがゲスト出演するなど、交流を深めている。

EXILE / RED PHOENIX(from Single「RISING SUN TO THE WORLD」/ EXILE TRIBE)

 EXILE NESMITHのキャラクターを一言で表すとすれば、“愛されいじられキャラ”。人懐っこい性格や、EXILEという体育会系集団の中にいながら、突き抜けたオタクであることも、“EXILEイチ交友関係が広い”と言われる所以だろう。メンバーからも愛されており、「ネッさん(NESMITH)は本当に優しいんです。だから自然とそういう立ち位置になってしまうというか(笑)」(※7)と語るのは、メンバーの黒木啓司。“EXILE NESMITHが好きすぎて、ついいじりたくなってしまう黒木と、そんな彼のいじりに付き合ってあげる優しいEXILE NESMITH”という関係性が、ファンにはたまらないようだ。

 また、近年は地元愛が強まっているようで、2020年には、2016年の熊本地震から少しずつ復興していたところ、コロナ禍に突入した地元・熊本を支援するべく、「熊本を“歌で”元気にしたい」というコンセプトの『HIGO-UTAプロジェクト』を始動。熊本県出身のシンガー・Leola、中田裕二と共にオリジナルソング「さるこうよ」を制作した。昨年10月には、九州朝日放送(本社福岡市、テレビ朝日系)の情報番組『アサデス。KBC』にも出演し、後輩グループ・Girls²の九州出身メンバーや宮崎県出身の黒木啓司(ダンスエクササイズインストラクターKEIJI)と共に、『アサダン』のテーマソング「弾心 ~ダンシン~ feat.黒木啓司,NESMITH」を発表。Bobby(EXILE NESMITH)というキャラクターに扮して九州の朝を盛り上げている。とはいえ、EXILE NESMITHの活動の中心には常に“歌”があり、歌の力を信じる心がある。歌で人と繋がり続ける人生。これからもきっと、その生き方が変わることはないのだろう。

さるこうよ / EXILE NESMITH, Leola & 中田裕二 (Full ver.)
Girls² - 弾心 ~ダンシン~ feat.黒木啓司,NESMITH (Dancing feat.KEIJI KUROKI,NESMITH)

※1、5:https://deview.co.jp/Interview?am_interview_id=468&set_cookie=3
※2、3、4:https://www.tfm.co.jp/moving/month?month=201905&offset=0
※6:https://www.vivi.tv/post19855/
※7:https://mensjoker.jp/18983

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter(@stmdr38)

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