MARiA、初のソロワンマンで見せた意志の強さ 草野華余子、TAKUYAとの貴重なコラボも

MARiA、初のソロワンマンレポ

 先月、初のソロアルバム『うたものがたり』をリリースしたMARiA。6月5日夜、そのアルバムを引っ提げた一夜限りのスペシャルライブ『MARiA Live 2021「うたものがたり」』がチームスマイル豊洲PITにて行われた。新型コロナウイルスにより多くのライブが中止・延期になる昨今。MARiAがライブハウスで公演を開催するのは約17カ月ぶりだという。会場には久しぶりの生ライブを、そしてソロとしての初めてのワンマンワイブを、今か今かと待ち望む空気で充満していた。

 開演前にナレーションが入る。

「私は確かに感じるのです。これはきっと私の物語。そしてきっとあなたの物語……」

 すると2人のダンサーが舞台上に現れ、華麗なバトンのパフォーマンスを披露。ほどなくして1曲目「憐哀感情」で幕が開けた。ステージで青白いライトに照らされたMARiAが、ひとりで座りながら感情たっぷりに歌い上げる。哀愁漂うその姿は、なんとも悲痛なシルエットだ。

 2曲目の「マチルダ」もマイナー調のギターの音色が物悲しい。しかし照明が白に変わると、希望の光が差したような景色へと変化した。間髪入れずに3曲目「ガラスの鐘」へと突入。スパニッシュな雰囲気を持ったこの曲では、ダンサーを迎えて情熱的なステージを展開する。それまでと打って変わってアップテンポなリズムを軽快に歌いこなすMARiAは、どこか息を吹き返したように力強い。

 続いて歌ったのは、今日のために用意したという未発表曲「手探る夢繋ぐ糸」。ジャズ調のサウンドに加えて、女性4人のダンサーによる美しいパフォーマンスも相まって、大人な世界観が繰り広げられる。

 歌い終えるとここでMCタイム。「みなさんの前で歌えることが、とんでもなく大好きです。かれこれ歌を歌い始めてから18〜9年。ソロとして初めてとなる念願のワンマンライブ。私の歌を余すことなく味わってください」と客席に向かって優しく話した。

草野華余子
草野華余子

 ここでアルバムに楽曲を提供したシンガーソングライターの草野華余子が登場。バーのセットで2人が語り合う。実は草野はデビュー前のMARiAに出会っており、以降長く親交を深めているのだそうで、話はそんな意外な2人の出会いから、今作の制作秘話まで及んだ。貴重なトークを終えると、そのまま2人のコラボコーナーへ。

 草野自身の楽曲「おわりものがたり」では、草野のパワフルな歌唱に負けじとMARiAも全力で応える姿が印象的だった。2人の魂がぶつかり合うようなスリリングなステージングに会場がヒートアップする。そしてそのまま「おろかものがたり」を披露。草野曰く「一番幸せになれない女の歌」「愚かな女の物語」だというこの曲を「みんなも一緒にしんどくなろう!」と呼びかけて歌い始める。息継ぎのことを考えずに作曲したというこの楽曲を、2人で見事に歌い切り、拍手喝采となった。

TAKUYA
TAKUYA

 次に、同じくMARiAに楽曲提供したTAKUYAを迎えてJUDY AND MARYの「そばかす」と「Over Drive」をカバー。本人曰く「相当レア」だと言うこの選曲。TAKUYAの縦横無尽に駆け回るギタープレイもさることながら、歌うことが本当に楽しそうな、少女のような笑顔で歌唱するMARiAの表情も印象的だった。

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