『ザ!鉄腕!DASH!!』『ニノさん』『VS魂』……先輩後輩の関係性が育む、ジャニーズならではのバラエティ力
今やアイドルであってもバラエティで活躍するのが当たり前の時代。ジャニーズも例外ではない。特に多数の冠番組を持ち、メインMCなども務める強みを生かし、先輩と後輩が同じ番組で共演する機会も増えている。今回はジャニーズのバラエティ番組に見る先輩後輩の関係性について考察してみたい。
師匠と弟子のような関係性を通じて得る成長
最初に取り上げたいのは、日曜夜の顔となっている長寿番組『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)だ。1995年に深夜枠にてスタートしてから今年で26年。『笑点』(日本テレビ系)などと並び、今や日本中のお茶の間から愛される番組に成長した。株式会社TOKIOを立ち上げた城島茂、国分太一、松岡昌宏の3人が「DASH村」「DASH島」など名物企画をはじめ、「新宿DASH」などで体当たりの挑戦を続けている。同番組には度々ジャニーズの後輩がゲスト出演し話題となっているが、ここにきてレギュラーに加わった岸優太(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、草間リチャード敬太(Aぇ! group)など後輩陣の活躍に注目が集まっている。
3月28日の放送では、城島からDASH島の味噌づくりを託された森本と草間が麹作りからスタート。熱さをこらえ夜通し麹作りに取り組む森本と草間の姿が印象的だった。5月16日の放送回では、遂に味噌の仕込みに入り、四苦八苦する2人に城島がベテランならではのアドバイスをする場面も。森本と草間の面白さは大先輩の城島にもストレートに感想をぶつけるところ。温厚な城島と若い2人のやり取りが絶妙なのである。
新宿でロケ!
岸くんに写真撮ってもらいました!
遠いな〜 pic.twitter.com/I6NcJTvFUU— 国分太一 (@tokioinc_taichi) April 12, 2021
DASH村がある福島県浪江町の隣に位置する葛尾村にて、21回目の米作りに取り組む企画にはTOKIOの3人に加え、岸と森本が参加。ポットに入れた土の中に1粒ずつ種を撒くというこだわりの撒き方について、国分は岸に丁寧かつ迅速に種を植える方法を宿題として考えてくるよう指示。その宿題に対し、岸は独自の道具を作り見事期待に応えてみせ、見事“苗作り課・土押し係長”に就任する一コマも。何事にも真摯に取り組む岸の真面目さが番組を通じて伝わってきたように思う。また、岸は番組内で『24時間テレビ』のメインパーソナリティに決まったことを発表前に国分に報告。「なんで俺に教えてくれたの?」と聞く国分に「太一さんは師匠で、伝えなけれなければいけない先輩なので」と岸。その姿は先輩と後輩というより、すっかり師匠と弟子のような関係性にも見え、実に微笑ましく映った。
今後も頼もしい先輩=師匠たちの指導で、たくしく成長していく後輩たちの姿が楽しみだ。
バラエティに必要な瞬発力や姿勢を学ぶ
嵐の二宮和也がメインMCを務める『ニノさん』(日本テレビ系)に出演しているのが、菊池風磨(Sexy Zone)だ。頭の回転が速い二宮のコメントにも瞬時に反応する菊池の瞬発力は、同番組を盛り上げる要素の一つ。番組で培った師匠と弟子のような2人のコンビネーションは、そのままYouTubeチャンネル『ジャにのちゃんねる』でも発揮されており、動画が更新されるたびに大きな反響を呼んでいる。『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)の番組内で叫んだ「許せない!」が話題を呼ぶなど、バラエティでの活躍も目覚ましい菊池であるが、ジャニーズの中で特にバラエティ対応に長けた二宮の言動から学ぶべきことが多いのかもしれない。
嵐の相葉雅紀は、『VS魂』(フジテレビ系)で風間俊介、佐藤勝利(Sexy Zone)、藤井流星(ジャニーズWEST)、岸、浮所飛貴(美 少年/ジャニーズJr.)と共演。自らもデビュー後バラエティ番組に出演し悩んでいた時期に、師匠と尊敬する志村けんの言葉に支えられた経験を持つ。アイドルがバラエティで活躍することの難しさを実感してきた相葉との共演は、彼ら後輩にとってこの上なく貴重な経験となるはずだ。メンバーは番組開始当初こそ緊張した表情も見られたが、最近ではのびのびとゲームに参加し、個性を発揮しながら笑いに繋げているように見える。また『I LOVE みんなのどうぶつ園』(日本テレビ系)では、相葉園長のもと那須雄登(美 少年/ジャニーズJr.)が千葉県袖ケ浦でイチから動物園作りにチャレンジ中。普段のキラキラしたアイドルの姿からは想像もできない姿で土木作業も一生懸命こなす姿に、SNSにはジャニーズのファン以外からも応援する声が寄せられている。後輩らにとって相葉との共演は、何かを教えてもらうというスタンス以上に、相葉のバラエティに向き合う姿勢そのものを学ぶことができる環境であるように思う。