三代目J SOUL BROTHERS メンバー分析【入門編】Vol.3:今市隆二
三代目 J SOUL BROTHERS 今市隆二、色気溢れるミックスボイス 表現の幅を広げ続ける“ピュアで真っ直ぐな眼差し”
2015年、三代目 J SOUL BROTHERSのアルバム『PLANET SEVEN』に、自ら作詞を手掛けた「All LOVE」が収録されたのを皮切りに、ソロ曲も発表するようになり、2018年1月12日には配信シングル「ONE DAY」でソロデビュー。その歌声は少し鼻にかかったような色気のあるミックスボイスが特徴で、卓越した表現力とグルーブセンスが大きな魅力だ。三代目 J SOUL BROTHERSの音楽性と言えば、繊細な感情を落とし込んだラブバラードから、最先端のEDMまでさまざまだが、ソロアーティストとしては、生粋のR&B好きで知られる今市らしく、「歌の力で魅了するR&B」(※6)に重きを置いて活動。かつて“歌うガテン系”と呼ばれていた彼が、ピアノで弾き語りをするギャップも、ファンをとろけさせている。
また、自身のルーツとなる音楽について「Boyz II Menもそうだし、Babyface、エリック・ベネイ、ブライアン・マックナイト……90年代のR&Bがやっぱり好きなんですよね」(※7)と語る一方、それがただの憧れに留まらないのが彼のすごいところ。2018年、ソロとしてリリースした1stフルアルバム『LIGHT>DARKNESS』には、今市が洋楽を聴くようになったきっかけであるブライアン・マックナイトと共作した「LOVE HURTS / RYUJI IMAICHI feat. Brian McKnight」と「Thank you」を収録。この楽曲たちをブライアン・マックナイトの自宅でホームステイしながら制作していたことも驚きだが、同作は、現代アート界で活躍しているダニエル・アーシャムがアルバムプロデュースを手掛けているほか、Ne-Yoとのコラボ曲「SHINING / RYUJI IMAICHI feat. Ne-Yo」も収録されており、世界的アーティストとのコラボレーションを通して、“ボーカリストRYUJI IMAICHI”の存在感を示した1作となった。
しかし、R&Bが軸にありながらも、“RYUJI IMAICHI”のスタイルは少しずつ変化しており、2020年にリリースしたミニアルバム『ZONE OF GOLD』では、三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマー陣の影響を受けたことから、R&Bにヒップホップを融合した楽曲を多数制作。デビュー時の三代目 J SOUL BROTHERSにおいては“踊らないボーカル”という立ち位置だったが、近年のソロ活動ではダンスを交えて曲の世界観を伝えており、天性のボーカリストから至極のエンターテイナーへと進化を遂げている。
これまでのエピソードでもわかるように、今市隆二のキャラクターは“ピュアでまっすぐな熱い男”。NAOTOは「少年ジャンプの主人公タイプ。元気が良くてよく食べて、ピュアで正義感が強い。『ドラゴンボール』の悟空とか『ONE PIECE』のルフィのような感じです。なんとかレンジャーにたとえたら、「赤」ですね」(※8)、山下は「今市は、ピュアで真っ直ぐなところがあるため、ただ伝えたい熱い気持ちを持って主張しているところが好きだ」(※9)と語る。パフォーマンス時にはクールな表情と肉体美でファンを興奮させているが、トーク時に見せるクシャッとした笑顔が彼の人柄の良さを物語っており、礼儀正しさや物腰柔らかな振る舞いはスタッフからも定評あり。歌はもちろん、何事にも一生懸命で、J-WAVEで放送中のラジオ『SPARK』では、6年以上に渡って木曜ナビゲーターを務めている。2019年には『その瞬間、僕は泣きたくなった -CINEMA FIGHTERS project-』で俳優デビューも果たし、ボーカリストとしても、表現者としても、年々幅を広げている今市隆二。デビュー10年を越えても変わらない、芯の強い眼差しの先には、さらにドラマティックなストーリーが待ち受けていることだろう。
※1:https://news.j-wave.co.jp/2018/06/614jsb.html
※2、4:https://hochi.news/articles/20180119-OHT1T50120.html
※3:https://voguegirl.jp/lifestyle/people/20210101/lessons-to-be-learned-ryuji-imaichi/
※5:https://hochi.news/articles/20201127-OHT1T50152.html
※6:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/29235
※7:https://realsound.jp/2018/08/post-233233.html
※8:https://numero.jp/culture-20130218-jsoul/
※9:https://mdpr.jp/news/detail/1716011
■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
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