我儘ラキア、歌声にも感じるメンバーの豊かな個性 キャリア最大規模全国ツアー初日レポ
ロック、ヒップホップ、ハードコア、EDMなど、様々なジャンルを自由にクロスオーバーする4人組アイドル・我儘ラキア。彼女たちがバンドセットによるキャリア史上最大規模の全国ツアー『WAGAMAMARAKIA TOUR』をスタートさせた。本稿では初日、4月2日の下北沢SHELTER公演の模様をレポートする。
サイレンのようなSEとともにメンバーが登場し、「SURVIVE」からライブがスタート。骨太な演奏に負けないパワフルな歌声と圧倒的な声量を持つ星熊南巫。不思議な色気を湛えた歌声と感情を思い切り乗せたダンスが印象的な海羽凜。落ち着きのあるボーカルと明るいキャラクターでグループを支える川﨑怜奈。そして、攻撃的なラップとピュアで少年性を帯びた声でパフォーマンスにスパイスを与えるMIRI。ビジュアルにもパフォーマンスにも4人の個性がこれでもかというほど表れた、それでいながらチームワークを感じるグループだ。それはおそらく、4人が同じ目標を見据えているからだろう。〈ここからが正真正銘の勝負だ〉と意気込む「SURVIVE」の歌詞が一層胸に響く。
この日客席はソーシャルディスタンスを保ち、歓声はあげられなかったものの、観客はその場で思い切り飛び跳ねたり、手拍子をして盛り上げていた。メンバーが観客一人ひとりと目を合わせて直接思いを伝えるようにパフォーマンスしていたのも印象深い。
その後もフロアを熱くする楽曲が続く。と、ここでメンバーから夏頃にEPをリリースすることが告知され、新曲を披露するのかという期待もあったがライブは全編英語詞の「Leaving」へ。キャッチーな振りを観客も共に踊り、一体感を高めていく。そして、「みんなにいいことがありますように」と「Like The Stars」を歌唱。後に披露された「There is surely tomorrow」含め、我儘ラキアには激しいサウンドの楽曲が多いが、根底にあるメッセージはどれもポジティブだ。決して明るいニュースばかりではない今、まさに希望を持って〈僕が君を連れて行くから〉という思いを意志の強い目線から感じる。
MCではツアーが6月の新木場コースト公演まで続くことや、ツアー初日公演をバンドの聖地と言える下北沢SHELTERで開催できた喜びに言及。この日のチケットは相当な倍率だったようだ。そしてツアーファイナルに向け、「新しい世界を見せられるように頑張ります」と意気込んだ。