新しい地図の3人が覗かせた開拓者としての顔 新年度初『ななにー』に湊かなえ、ハリセンボンら登場

新年度初『ななにー』に湊かなえら登場

新しい地図の映画プロジェクトに湊かなえが参戦?

 さらに、思い出と現在がリンクするコーナーが続く。『インテリゴロウ』では、人気小説家の湊かなえが登場し、かつて『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で披露していた、“メンバーを主人公にミステリー小説を書くなら?”という設定について、6年越しにトークを繰り広げたのだ。

 湊の構想では、主人公・稲垣は冷酷な殺人犯という設定。殺人事件を起こした上に自らの息子にまで手をかけ、その動機を「蝶の標本」のように美しいまま留めておくのだと語る。その非情なサイコパスぶりに、世間は震え上がるという。

 だが、実はその殺人事件の真犯人は息子であり、稲垣はその息子を殺すことで、全ての罪を背負おうとしているのだと続ける。そして、草なぎを殺された被害者の父親、香取をその被害者と息子を受け持つ担任教師という役どころで登場させて山場を作っていく。

 草なぎとの対立で「善とは何か」を問いかけ、そして香取との対話で殺人者から父親への顔に一変させるというのだから、さすがだ。その完璧に仕上がっているプロットに、稲垣は大興奮。

 『クソ野郎と美しき世界』に続く、新しい地図の映画プロジェクト第2弾に参加して、ぜひ脚本を書いてほしいと懇願する稲垣だが、湊はこの4月から1年間休業しており、「新作は1文字も書かない」と宣言したばかり。

 「第4弾くらいで(笑)」と、まさかの振られる形になってしまったが、なんともワクワクする構想ではないか。この物語の肝となる部分はかなり話してしまったというが、どのようなエンディングになるのかは、まだ語られていない。時間がかかったとしても、ぜひこのプロジェクトが本格始動することを願わずにはいられない。

アドリブ寸劇で高まる香取の監督熱

 また『俳優だけど監督もやってますSP』と題して、映画『ゾッキ』で山田孝之を含めて共同監督を務めた竹中直人、齋藤工も登場。俳優として活躍しながら、監督業にも精を出す2人に、前のめりで質問を投げかけるのは香取だ。

 これまで、コンサートなどの演出を手掛けていたこと、そしてアーティストとして数々の作品を発表し、最近ではYouTubeチャンネルでも様々な映像企画を発信している姿を鑑みると、香取が映画監督の仕事にも興味を持つのはごく自然なことかもしれない。

 両監督が『ゾッキ』や過去の作品で、思い入れのあるシーンを披露すると、それを眺めながらも「難しい」と、自分ならどうするかを真剣に考える香取。その様子を見ていると、いつかその日が来るのではないかと、こちらも心が弾む。

 コーナーの終盤では、草なぎ&稲垣を演者に、竹中と齋藤がそれぞれ監督となって1シーンを作り上げようという流れに。だが、気づけば香取と竹中の初共演寸劇が実現。これほど自由なアドリブ劇を見ることができるのは、『ななにー』以外ではありえないだろう。

 さらに、映画『ミッドナイト・スワン』で音楽を担当した渋谷慶一郎がサプライズで登場し、生演奏で感動させたと思いきや、「大人の事情」への疑問をオープンに話していくぞと意気込む場面も。もしかしたらしっかりした大人から「何してるんだ!」と叱られてしまいそうな、ソワソワする時間。だが、そんな想定外で、未完成な、愛しい時間こそ、彼らはイキイキとした表情を浮かばせる。それは今も変わらず“やんちゃ”な部分が彼らの中に存在するからではないだろうか。

 どんなチャレンジだってやってやろうという気概、そして「いざとなったら南の島に住もうぜ!」という、いつだって開拓者な顔を覗かせる『ななにー』を見ていると、彼らの可能性の広がりをまだまだ感じることができるし、その挑戦をいつまでも眺めていたいと思うのだ。

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