『みんなのうた60』アンバサダー井ノ原快彦、「WAになっておどろう」はV6の“原点”
4月3日で放送開始60年を迎えた『みんなのうた』(NHK Eテレ)。昨日よる7時からは、特別番組『みんなのうた60 生放送~バースデースペシャル!~』が生放送された。
第一回の放送が1961年4月3日。あれから60年が経過し、記念プロジェクト『みんなのうた60』がスタート。アンバサダーに就任したV6・井ノ原快彦が、生放送を前にインタビューに応じた。
まず、アンバサダーに選ばれた感想については「僕を呼んでくださったことに感謝しかない」と感慨深げに語り、「物心ついたときから自分のそばにいてくれた歌たちがいまもこうしてまた映像で見ることができたりする、再放送もいっぱいありますし。今日もオンエアされてましたけど、いまになってその制作秘話などを見て、あのとき何歳だったなとか、みんなが思い出すことができる番組」「(僕を)育ててくれた歌たちに好きっていう気持ちをぶつけていきたいなって思ってます」と意気込む。アンバサダーが1年間続く中で成し遂げたいことを聞かれると、「おじいちゃんとお母さんと子どもと3人が同じ歌を歌っているのを見てみたいなって思ってます」と言い、「北風小僧の寒太郎」を例にあげ、「小学生とかいまも歌ってたりとかするから、これだけ長く続くと本当にみんなの歌になっていくんだなって気がします」とコメント。
また、当日がちょうど『みんなのうた』のスタートした日=誕生日であったことに関しては「嬉しいですね」と率直な気持ちを明かし、「一年前とかは(アンバサダーをやると)考えてもみなかったので。家で流して聞いてたし見てた番組だし。あとは人が出てこないから、自分がいつか出たい! とかないじゃないですか。歌いたいとかはあるけど(笑)」「思ってもみないことに参加させていただけるのが本当嬉しいですし、さっきもスタジオパークで色んな映像見ましたけど、泣きそうになっちゃうんですよね、懐かしくて」と語る。そして、「いまは一人ずつでテレビを見ることも多いですし、なんならスマホで自分専用の自分の世界がつくれちゃう世の中だけど、久しぶりに家族全員で見て、おじいちゃんこれ何歳くらいの時だったの? とかそういう話してくれたら嬉しい」と家族で楽しむことを提案した。『みんなのうた』の思い出について聞かれると、「山口さんちのツトム君」を挙げて、昔のいちごはすっぱいものだったこと、当時住んでいたマンション名や部屋番号まで思い出すなど、幼少期に思いを馳せる一幕も。他にも「赤鬼と青鬼のタンゴ」、「切手のないおくりもの」を挙げ、「歌いたいですね」、「(どんどん)出てきちゃいますね、長くなりますよこれ(笑)」と止まらない様子だった。
また、自身が歌を歌いたくなるシーンについては「移動のときに『俺、歌うからハモってくれよ』って言ったら誰もハモってくれなくて『ちょっと静かにしてくれよ』って言われてたんですけど(笑)。気持ちがのったら歌いたいし、今日はもう家にいたいなって、歌でも歌いたいなってときはギターを弾きながら歌ったり。歌いたいなら歌っちゃえばいいと思います」と持論を展開。天災が多い日本は、様々な悲しみも歌と共に乗り越えてきたと思う、と井ノ原。「その人がそのつもりで歌ってなくても、聞き手によって解釈がいろいろあるから、勝手に自分の歌になっていく」「『みんなのうた』はすごくいいタイトルだなって思いますし、僕らもずっと歌をうたってきましたけど、いい仕事ですよね。疲れたなって思いながら歌ったことはなくて、早く本番で歌わせて欲しい! っていう感じになりますよね」と音楽への愛も覗かせた。
続いて話題は『みんなのうた』で1997年4月〜5月に初回放送され、V6もカバーした「WAになっておどろう」へ。「あの時のエピソード、今回のこともあって色々思い出してたんですけど、なんでそう(歌うことに)なったのか、本当によくわからないですよね。(他に)歌おうとしてた曲があったんですけど、なんでスタッフは紛れ込ませてきたのか(笑)。もうAGHARTAさんが歌うってなってて、発売も決まっていて。でもみんな、『これだ!』ってなったんですよね。それこそ、“みんなのうた”みたいな感じですーって来てくれて、ずっと(そばに)いてくれる感じなんですけど。だから歌っても歌わなくても流れてる、って感じがして」と振り返り、「最近ではアルバムの発売をきっかけにコンサートをやることが多かったので、なかなか代表曲的なものは歌えなかったりするんですけど。でも『WAになっておどろう』は、リズムというか、心の中で鳴ってる気がするんですよね。6人だから輪になりやすいっていうのもありますし。『Full Circle』っていう曲をやってますし。輪になることをすごく意識していまの活動をやっている」と、V6の原点に「WAになっておどろう」があることを明かした。
また、歌に留まらずクリエイターにも注目しているという井ノ原。気になった人がいたらメモを取っているそうだが、カテゴリ分けをしておらず、後で調べたらスタッフの名前だったこともあったと、失敗談を明かして笑いを誘った。
そして、「60」にかけて継続したいことを聞かれると「みなさんいまはお若いから60代で働いている方もいらっしゃいますけど、とりあえず60歳まではってどっかにあるんじゃないかな。そのあと、そこまで築いたもので何ができるのかなというのがあるのでしょうけど。60歳のときどうなってるのかなって考えることはあるかもしれないです。体は動くようにしておきたいです」と健康の大切さを語った。