Sexy Zone『SZ10TH』大差でチャート首位 10年間で培われた“表現の深み”を味わう

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2021-03-15/

 2021年3月15日付のオリコン週間アルバムランキングで首位に輝いたのは、Sexy Zoneの活動10周年記念アルバム『SZ10TH』。推定売上枚数は18万5,816枚だった。そして2位にはaikoの2年9カ月ぶりとなる新作『どうしたって伝えられないから』(4万6,324枚)が続く。以下、初登場としては、3位 sumika『AMUSIC』(2万5,701枚)、4位 国木田花丸(高槻かなこ)from Aqours『LoveLive! Sunshine!! Kunikida Hanamaru First Solo Concert Album~おやすみなさん!〜』(1万2,000枚)、7位 大原櫻子『l(エル)』(6,901枚)、8位 東京スカパラダイスオーケストラ『SKA=ALMIGHTY』(6,294枚)、9位SawanoHiroyuki[nZk]『iv』(5,987枚)がトップ10にランクイン。

Sexy Zone
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 さて今回ピックアップしたいのは、なんといっても首位のSexy Zone『SZ10TH』。収録された新曲「RIGHT NEXT TO YOU」は全編英語詞、すこし憂いのある抑制の効いたボーカル、そしてUKガラージのエッセンスをたっぷり湛えたダンサブルなサウンドで大きな反響を呼んだ。すでにこの曲を巡ってはいろんなことが語られているけれども、個人的に特に秀逸だと思うのは、徐々に楽曲を盛り上げていくいわゆるビルドアップ部に、ハーモニーの旨味をぎゅうぎゅうに詰め込んだあと、一気に音数が削ぎ落とされて、ソリッドなベースラインと鋭く印象的なボーカルの緊張感あふれる掛け合いがやってくる、ドロップ=サビだ。最小限のサウンドに説得力を持たせるボーカルの華やかな魅力が(これ見よがしではないのに)あふれている。

 YouTubeでMVが公開されるなり話題となった「RIGHT NEXT TO YOU」だが、この曲単体としてじゃなく、10年間の歩みをまとめた『SZ10TH』のなかでこの曲を聴くと、また別の味わいが生まれる。本作には複数のバージョンがあり、基本となるのはディスク1と2の既発シングル曲のコンピレーションだ。時系列順に、2011年11月のデビューシングル曲「Sexy Zone」から2020年11月の「NOT FOUND」までが収録されている。「Sexy Zone」もう10年も前か~と思いながら頭から聴くと、声がちょっとうろたえるほど若い。なんなら幼い。ここから始まって10年、その蓄積があって「RIGHT NEXT TO YOU」か……と、思わず遠くを見てしまう。聴こえてくるのはめっちゃハイテンションなジャニーズ印のJ-POPなのだけれど。

Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」(YouTube ver.)

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