ザ・コインロッカーズ、異例の毎週末オンラインライブで急成長? 約2カ月間で積み上げた努力を紐解く

コイロカ、毎週末オンラインライブで急成長?

 ザ・コインロッカーズが毎週末開催しているオンラインスペシャルライブが非常に面白いことになっている。このオンラインライブは、ザ・コインロッカーズの1stアルバム『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』の3月24日リリースに向けて今年1月9日からスタートさせた企画で、毎週土曜&日曜の13時から1時間にわたりYouTube公式チャンネルにて配信。ここではメンバー13人がひとつのライブごとに5人前後で組み合わせを変え、それぞれにユニット名を付けてザ・コインロッカーズの楽曲披露に加え、誰もが知るJ-POPヒットナンバーのカバーを披露している。

【1月9日(土) 】ザ・コインロッカーズ 1stアルバム発売記念スペシャルオンラインライブ

 どのユニットも5人前後というメンバー構成で、25分前後の演奏時間で4曲前後をパフォーマンス。毎回1時間の配信に2組(配信回によっては1組+特別企画)がライブを行うのだが、メンバーの個性を知るという上でも程よい長さのライブなので気軽に視聴することができる。特にこのオンラインライブは初回からアーカイブも残されているので、どうしても外せない用事ができてリアルタイム視聴ができない人もあとから楽しむことが可能だ。

 最近ではこういったオンラインライブを有料配信するケースも少なくないが、ザ・コインロッカーズの場合は過去のオンラインライブ同様すべて無料で視聴可能となっている。これは1stアルバム発売に向けた施策という意味合いも強いが、それ以上に「ザ・コインロッカーズというバンドと彼女たちの楽曲を、より多くの人に知ってもらう、触れてもらうきっかけ作り」という役割も大きいのではないだろうか。

 ザ・コインロッカーズは2019年5月から11月にかけて、150本以上におよぶライブを行っった経験を持つ。この際も彼女たちは当時在籍した39人を5組前後に分かれることで、それぞれが切磋琢磨しながら成長を重ねている。きっと現在の13人編成へと移行したあとも、同じようにライブハウスで経験を積みながら個々の技術を高めていく予定だったのではないだろうか。ところが、ご存知のとおり2020年春からはコロナ禍により、ライブハウスでの有観客ライブが思うように行えない状況に。ザ・コインロッカーズも春以降オンラインライブを何度か行ってきたが、ここまで精力的にライブを続けるのは1年数カ月ぶりとなる。

 この毎週末行われているオンラインライブを、筆者も可能な限り視聴しているのだが、とにかく毎回趣向を凝らしており、見応えのある内容ばかりなのだ。まず、ユニット編成はメンバーとスタッフにて選出しており、そのユニット名と演奏楽曲はメンバー自身が決定。カバー曲ももちろん、彼女たちが歌いたい、演奏したい楽曲を選んでいる。この原稿を書いている時点では2月21日までで計15回(開始当初は1月9〜11日と、祝日を含む3日連続で配信)実施されており、登場したユニットは計26組(このうち1組は同じユニット名で二度登場し、二度目はメンバーを増やしているので実質27組と捉えることもできる)。バンド編成もボーカル+ギター+ベース+ドラム+キーボードという基本形態のほか、ボーカル+ギター+キーボードやボーカル+ギター×2、あるいはギター×3(うち1人がボーカル兼務)なんて編成もあり、回を増すごとに自由度が増しているように映る。

【1月11日(月・祝) 】ザ・コインロッカーズ 成人の日スペシャルオンラインライブ

 また、ユニットによっては個性的なコンセプトが用意されたものもあり、1月11日配信の「大人になり隊」は成人式当日とあって、今年成人式を迎えた成澤愛実、Яuu、HANNA、田村愛美鈴、松本璃奈が振袖姿でライブを披露。1月24日配信の「Time Slip」(成澤愛実、松本璃奈、有働優菜、下島輝星、絹本夏海)は昭和時代にタイムスリップしたようなメイクで観る者を驚かせ、2月7日配信の「Jungle Animal」(松本璃奈、Яuu、HANNA、有働優菜、Emily)では全員が動物のヘアアクセサリーを付けてライブに臨んだ。さらに、1月31日の配信では誕生日(2月2日)を目前にした松本璃奈のバースデースペシャル企画ライブを、2月13、14日にはバレンタインにちなんだ編成&演出でライブを行った。MCでの微笑ましいやりとり含め、こういった時節柄のトピックもオンラインライブの見どころだろう。

【1月24日(日) 】ザ・コインロッカーズ 1stアルバム発売記念スペシャルオンラインライブ

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる