SOMETIME'S、総勢9人で作り上げた熱気 初のワンマンライブをレポート
SOMETIME'Sが2月26日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで有観客ライブ『TOBARI Release Event「TO"N"ARI」』を開催した。国産ポップスの良さを引継ぎながら、ブラックミュージックやロックの要素を混ぜ合わせた音楽性を持つSOMETIME'Sは、これまで配信シングル4曲とEP『TOBARI』をリリース。インディーズながら急速に人気を獲得し、今後が期待される存在だ。
本公演は彼らにとって初となるワンマンライブ。しかし、サポートメンバー含め総勢9名による演奏はそれを感じさせず、それぞれの技量とチームワーク、凝ったアレンジで観る者を魅了した。レーベル所属や新EPのリリースも発表され、さらなる飛躍を感じさせた本公演をレポートする。
新型コロナウイルスへの感染対策が施されたフロア。密ではないが、観客からの期待は感じ取れた。そして開演時刻。SEとともにサポートメンバーが入場し、続いてSOMETIME'SのSOTA(Vo)とTAKKI(Gt)が登場した。開幕は「シンデレラストーリー」。ギターとドラムが絡むイントロの裏でSOTAが煽り楽曲がスタートする。16ビートを主体に中盤はサンバに変わるなど凝った展開を聴かせてくれた。
エンディングとともに「いやあ、よく来たね。好きに楽しんでください」とSOTAが告げ、1st EP『TOBARI』のオープニング曲である「Get in me」に繋げる。シンセベースが前曲のエレキベースの音色と良いコントラスト。加えて2コーラス目に照明が楽曲に強く同期する演出、ワイルドなギターソロも光る。
本日のサポートメンバーは、清野雄翔(Key)、佐々木恵太郎(Ba)、永田こーせー(Sax)、大泊久栄(Tp)、寺谷光(Tb)、ぬましょう(Per)、冨田洋之進(Dr)という布陣。それぞれが様々な現場で活躍する強者たちである。
そして、ファンキーな「Take a chance on yourself」、SOTAの低い音域からヘッドボイスまで堪能できる「Simple」とアッパーな曲で序盤を駆け抜けMCへ。ここでホーン隊は一度退場。
「こういったご時世のなかですが、ソールドアウトということで。本当にお集まりいただきありがとうございます」とSOTAが語り始めた。TAKKIは昨夜、緊張のためか体調を崩しかけたのだという。ふたりは掛け合いながら楽し気な雰囲気を作る。
「溜まりに溜まってますので、今日は全部出して帰りたいと思います」と話を落ち着けて、演奏再開。最新のリリース曲「HORIZON」を歌とクリーンなギターの美しいアンサンブルで発進させる。アウトロでリズム隊がレイドバックしたビートを作るアレンジは技ありだった。