JABBA DA FOOTBALL CLUB×NAOTO(ORANGE RANGE)対談 「*~アスタリスク~」で共有された時代を超えるメッセージ

JABBA DA FOOTBALL CLUB×NAOTO対談

「カウンターカルチャーをJ-POPのど真ん中でやりたかった」(NAOTO)

ーーJABBAの1stアルバム『JABBA DA FOOTBALL CLUB』には、「*〜アスタリスク〜」のほか、「全力少年」(スキマスイッチ)、「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」(サンボマスター)、「Funny Bunny」(the pillows)も収録。「Funny Bunny」以外は2005年の楽曲ですが、これは意図があるんですか?

NOLOV:たまたまですね(笑)。かなり煮詰まっている時期にJABBAのアートディレクションをしてくれてる安田さんと飲みながら会話してる中で「BACK TO BASIC」という言葉が残って。「元々、俺たち何にドキドキしてたんだっけ?」と。それで振り返ってみると、前作のEP『DON’T WORRY, BE HAPPY』の時はGreen Dayのようなポップパンクを。前々作『FUCKING GOOD MILK SHAKE』では、The PharcydeやDe La Soulなど今やってる音楽のルーツをテーマにしていました。でも、今回は、もっともっと前。本当の原体験まで戻って、この4曲をサンプリングさせてもらいました。僕が生まれ育ったのは島根県の超田舎なんですけど、そんな場所まで届いてきてガキの僕を夢中にさせる音楽には確かに何かがあって。実際に音楽を作るようになって聴いてみると、意志の乗せ方、デリバリーの方法、恐ろしい程とことん作り込まれていて改めて震えました。そこに気付いていなかったら「今流行ってるもの」を小手先でやっていたかもしれないです。

ーーなるほど。「*〜アスタリスク〜」をリリースした2005年当時、NAOTOさんはどんな意識で活動してたんでしょうか?

NAOTO:「*〜アスタリスク〜」は「花(2004年)」リリース直後の2005年一発目のシングルだったんですけど、とにかく歪なことを間髪入れずにやろうと思った時期ですね。尖ったことを今やることに意味があるというか。自分が経験してきた音楽体験、カウンターカルチャーをJ-POPのど真ん中でやりたかった。エポックメイキングというと言いすぎですけど、一石を投じるべきだと思ったし、とにかくカウンターを打ちたかったんですよね。注目度があるうちに普通は出せない部分を出しとこう、みたいな(笑)。

NOLOV:ハハハハ!

NAOTO:(笑)。なのでレコード会社にも無理を言って、「すぐにアルバムを出させてほしい」とお願いして、その年『ИATURAL』を出しました。さっきの話じゃないけど、たぶんメンバーはキツかったと思いますけどね。

ーー「*〜アスタリスク〜」をNAOTOさんと一緒にリテイクしたことは、JABBAにとってめちゃくちゃ大きなポイントだったと思います。その後のJABBAの制作にも影響があったのでは?

NOLOV:それはめちゃくちゃありましたね。なんなら1stアルバムに入っている新しい曲は、すべて「*〜アスタリスク〜」の制作後に作り直しました。元々あった楽曲も、BAOBABと話し合ってビートを組み直したり、アレンジを変えたり。ほんと劇的に変わりました。間違いなく僕らにとってのブレイクスルーのきっかけになったと思います。自分たちの持ち味を発揮することの大切さに気付けたことはすごく大きいです。

NAOTO:おもしろかったよね。

NOLOV:おもしろかったです。マスタリングが終わって、メンバーと車で聴いて「このキックどうなってんの? 知らねえ低音出てんじゃん!? ヤバくね?」って。まだ発見あんの?!みたいな(笑)! 最後の最後まで驚き続けてました。

NAOTO:嬉しいです。僕も楽しんでやっていたので。

ーー最後にNAOTOさんから、JABBAに向けたメッセージをいただけますか?

NAOTO:さっきも言いましたけど、やっぱり大事なのは個性ですよね。4人の個性をどんなふうに伸ばしていって、それをどう絡ませていくのかがとても楽しみです。今後も追いかけていきたいですね。

NOLOV:ありがとうございます! 僕はデビューシングルを出した頃とは、かなり考え方が変わりました。その頃は「テッペン取るぞ!」みたいな感じでした。この数年で社会の状況も大きく変わって、これまで登るぞと思ってた山がなくなっているような気がして。「どうしたらいいんだろう?」と思っていたんですが、「*〜アスタリスク〜」の制作、NAOTOさんとのやり取りを通して、ひとつの道が見えた気がします。一番大事なのは、個性も生き方も全く違う4人が、音楽をやってなかったらリンクしなかった4人が、JABBAという共同体としておもしろいものが作れるかどうかだなと。今後は4人全員がそれぞれの人生と向き合いながら、音楽を作っていきたいと思いますが。そんで、それを受け取った人が何か感じてくれたら、この上ないです。

※記事初出時より一部訂正がございました。お詫び申し上げます。

JABBA
『JABBA DA FOOTBALL CLUB』

■リリース情報
JABBA DA FOOTBALL CLUB
「*~アスタリスク~」
2月17日(水)先行配信
配信はこちら

『JABBA DA FOOTBALL CLUB』
2021年3月10日(水)リリース

初回生産限定盤(SRCL-11736~7)
¥3,750(tax in)※三方背ケース仕様

通常盤(SRCL-11738)
¥3,000(taxi in)

<CD>
M1 *~アスタリスク~
M2 i&i
M3 天国しようよ
M4 きみは最高
M5 ハニートースト・ロマンス
M6 全力少年
M7 天上天下唯我独尊
M8 アイスクリーム デイドリーム
M9 国道9号線
M10 フレンズ
M11 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
M12 Funny Bunny
M13 新世界

<DVD>
SPECIAL INTERVIEW "What's my age again?"
新世界
きみは最高
国道9号線
Thinking about You feat. Kick a Show
Bye again
Miss Untouchable
ラッキーセブン

■関連リンク
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公式サイト

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