KyoungSeo、BTSと並んだヒット曲「Shiny Star(2020)」バイラル上位 リメイクの懐かしさ&親やすいメロディがリスナーを虜に

参照:https://spotifycharts.com/viral/jp/weekly/latest

 Spotifyの「バイラルトップ50(日本)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top 50チャート」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたプレイリスト。同チャートを1週間分集計した数値の今週分(1月21日公開:1月14日~1月20日集計分)のTOP10は以下の通り。

1位:Ado「うっせぇわ」
2位:SugLawd Familiar, OHZKEY, Vanity.K「Longiness」
3位:KyoungSeo「Shiny Star(2020)」
4位:えぬ「想無」
5位:My Hair is Bad「味方」
6位:SuiseiNoboAz「3020」
7位:yuigot + 長谷川白紙「音がする」
8位:Jagwar Twin「Loser」
9位:平手友梨奈「ダンスの理由」
10位:Cody・Lee(李)「我愛你」

 2021年になり間もなく1カ月が経とうとしている。年明けくらいから、バイラルチャートにも動きが出てきた。50位以内まで見ると、Adoの「うっせぇわ」や優里の「ドライフラワー」など根強い人気曲、当然のランクインを果たした感のある平手友梨奈の「ダンスの理由」などが名を連ねる一方、多数の新曲がランクインしている。シーンが動いている、もっと言ってしまえば、2021年の音楽シーンが動き始めたーーそんな予感をはらんだ動向である。

 昨年は、音楽シーンの歴史が塗り替えられた年でもあった。年末の『第71回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしたYOASOBIの代表曲となった「夜に駆ける」は、配信限定でリリースされた曲だ。この曲は、2020年の年間Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”で、総合首位を獲得した。CDシングル盤をリリースしていない曲が年間総合首位を獲得したのは、同チャート発表開始以来初めてのことで、大きなニュースとなった。

 ここ数年、サブスクリプション音楽配信サービスの浸透により、ライブやフェスシーンとは違うベクトルで、音楽に対する需要の変化が起こっていたが、前述したYOASOBIのニュースは、それがコロナ禍で一気に加速した結果と言えるだろう。そしてTikTokなどのSNSが、他人と音楽を共有する新たな手法として成立するようになったと言える。まだ先が見えない巣ごもりが続く中、この新たな手法は今後さらに確立され、細分化していくように思う。TikTokやYouTubeでバズるという以外のヒットのきっかけも、きっと出てくることだろう。

 そんな“新たなきっかけ”を見出せるのが今週のバイラルチャートだ。3位にランクインしているKyoungSeoの「Shiny Star(2020)」をピックアップする。

 KyoungSeoは、韓国の女性シンガーだ。2020年11月にデビューしたばかりで、現状検索をかけても、ヒットするのは主にハングル語のページばかりである。そんな彼女が一気に注目を集めたのは、2020年11月後半の韓国の音源チャートである。2020年11月20日、今やワールドスターとなったBTSのニューアルバム『BE (Deluxe Edition)』が発売された。2020年を代表する世界的ヒット曲「Dynamite」も収録された本作は、世界90カ国で首位を獲得。本国・韓国では複数の音源チャートで『BE (Deluxe Edition)』の収録曲8曲がトップからチャートを独占すると予想されていた。この予想を覆したのがKyoungSeoである。チャートにBTSの楽曲が並ぶ中、デビュー曲「Shiny Star(2020)」を2位にランクインさせた。デビューから1週間の新人女性シンガーが、世に名を馳せるには十分なインパクトだったと思う。

[MV] KyoungSeo(경서) _ Shiny Star(밤하늘의 별을)(2020)

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