GEMS COMPANY、アイドルとしての達成感に満ちた2ndワンマン千秋楽 城乃柚希ラストステージで伝え合ったメンバー愛
昨年10月にメジャーデビューアルバム『precious stones』をリリースした、バーチャルアイドルグループ=GEMS COMPANYが、1月8日から10日の3日間全5公演におよぶ『2nd ONEMAN LIVE“プレシャスストーン”』を神奈川・KT Zepp Yokohamaにて無観客開催した。卒業が発表されていた城乃柚希のラストステージとなった10日の夜公演は、城乃を含むユニット=citrossがMCを務め、城乃によるソロ曲「柚希式シアワセ論」も披露。グループ全体としても『全国おはなし会ツアー2021〜新しい仲間に出会う旅〜』の開催や、有栖川レイカと星菜日向夏のソロ曲リリースが発表されるなど、さらなる活躍に期待が高まる公演となった。
グループのこれまでの歴史を振り返ったOPムービー、お馴染みの「overture」が立て続けに流れ、長谷みことのソロ曲「少女聖戦パラドクス」でライブの火蓋が切って落とされた。疾走感あるロックチューンは、まるでアイドルの現場は戦場だと言わんばかり。長谷は、ダイナミックに動き周りながら熱いボーカルを聴かせ、ファンもコメント欄で曲に合わせて「はい!はい!はい!」と声をあげ大歓声に沸いた。長谷のパフォーマンスが終わると9人全員がステージに登場し、自己紹介と共に「大千秋楽、最高のライブを全力でお届けします!」と、この日の意気込みを叫んだ。
前半戦はソロ曲とユニット曲で繋いだ。星菜日向夏と音羽雫によるポップでキュートな「オンリー・マイ・フレンド」は、飛び跳ねながら歌う元気な姿に心は夏といった感じ。奈日抽ねねは、ピコピコサウンドの行進曲「夢見がちエクスプローラー」を歌い、愛媛なまりのセリフもあって、まるでミュージカルのような雰囲気。赤羽ユキノ、長谷、星菜、水科葵のユニット=Http:は「ネットのかみさま」を歌い、ステージは一気ににぎやかに。水科はソロ曲も披露。デジタルロックサウンドのアッパーチューン「形而境界のモノローグ」は叫ぶように歌い、「声出せー!」と観客をあおる。もう1曲はバラードの「メロウ」、まるで海の底にいるような照明と演出に魅せられた。
そして、昨年12月に配信リリースされた初のソロ曲「柚希式シアワセ論」を披露した城乃。おしゃべりが大好きな彼女らしいノリの良いナンバーで、ラップ調の早口パートも出てくる。ステージを駆け回りながら歌う城乃に、ファンもコメント欄で「わっしょい!わっしょい!」とかけ声をかけ、まるで目の前に観客がいるかのような一体感が会場に溢れた。
MCは公演ごとに異なり、城乃、音羽、長谷からなるユニット=citrossの3人が進行を務めた。出会いから現在までを振り返り「土手で出会ってからここまで這い上がってきたね」と、感慨深げな表情を見せた3人。城乃の「柚希式シアワセ論」にちなんで幸せについて語ったコーナーでは、GEMS COMPANYのメンバーでいられたことを挙げた城乃。「(赤羽)ユキノくんは聞き上手」「(水科)葵ちゃんは、いつも近くで見てくれて支えになっている」「ぽんちゃん(=音羽雫)は、裏表がない」など、メンバーだからこそ知る各メンバーの魅力を語りながら、「そんなみんながしゅきぴです!」と愛を伝えた。そんな城乃を嬉しそうにイジった音羽と長谷の2人。舞台袖でスタンバイ中のメンバーやファンにも、きっと彼女の愛は伝わったことだろう。
後半はメンバー全員で歌う楽曲を次々と披露し、ライブを大いに盛り上げた。まずは「みなさんも画面の向こうでジャンプしてください」と、彼女たちの原点的なナンバー「JAM GEM JUMP!!!」を繰り出す。明るく楽しい曲調に合わせて歌って踊り、9人で一斉にジャンプする姿は壮観だ。前向きなパワーに溢れた「ときめきドリームライン」は、楽曲の持つ自己肯定感が未来に向けた勇気を与えてくれる。そしてディスコ調の「ゴールデンスパイス」では、コメント欄にかけ声や合いの手、メンバーの名前を呼ぶ声がずらりと並んだ。メンバーも「セクシーに」「ぶりっ子で」「最高にキラキラに」といったかけ声に合わせて、様々な歌い方で自分を表現する。可愛いだけではない、個性満載の9人のスパイシーな魅力が画面から溢れた。