平手友梨奈、鞘師里保……元人気アイドルの音楽活動再開相次ぐ ソロ転身後の新たな成功例を作るか

 どれほどの人気アイドルだとしても、グループ卒業後の活動が全て順調に進むとは限らない。バラエティタレントや女優業などアイドル時代のキャラクターを活かした活動で成功している元アイドルは多いが、音楽活動でグループ在籍時を超える人気や評価を集めることはなかなか難しい。アイドルグループとして活動するのとソロで活動するのとでは、音楽を聴く層も、リスナーの受け取り方も変わってくる。そのギャップを埋めることが容易ではないのだろう。

 グループ在籍時、特にカリスマ性と人気があった元アイドル2名が、2020年後半になってから音楽活動を活発化させた。元欅坂46の平手友梨奈と元モーニング娘。の鞘師里保である。現時点での2人のソロ活動に対するファンや世間の反応の大きさは、グループ在籍時と変わらない。彼女たちがアイドルからソロに転身した後の新しい成功例を作る予感がしている。

 平手は2020年1月に欅坂46の脱退を発表してから、映画への出演アナウンスなどの情報はあったものの、しばらく表立った活動は少なかった。そんな彼女が昨年8月の『2020FNS歌謡祭 夏』で久々にテレビ出演し、森山直太朗とのコラボレーションを行なった。森山の名曲「生きてることが辛いなら」の歌唱中に、平手は楽曲のイメージに合わせたコンテンポラリーダンスを踊ったのである。その繊細な動きながらも鬼気迫るパフォーマンスは多くの人に衝撃を与えた。彼女の表現力はグループ在籍時と比べても劣っていないどころか進化していることを見せつけているようだった。Twitterではトレンドにも入り大きな話題になっていた。

平手友梨奈「ダンスの理由」
平手友梨奈「ダンスの理由」

 そして12月の『2020 FNS歌謡祭 第2夜』で再びテレビ出演した際には、ソロ曲「ダンスの理由」を披露し、さらに大きな反響を呼んだ。平手が制作に1から携わっており、初めて作曲にも関わった楽曲だ。クールなサウンドに合わせたキレのあるダンスと高い表現力で視聴者を魅了した。その後デジタルシングルとしてリリースされた同曲は、オリコンデイリーデジタルシングルランキングで初登場1位を獲得している。彼女の人気や評価は色褪せていないことの証拠だ。これからさらに活動を本格化した時は、グループ在籍時を超える人気や評価を獲得するかもしれない。

平手友梨奈 『ダンスの理由』MUSIC VIDEO

 満を持しての活動再開になったのは元モーニング娘。の鞘師里保である。グループ加入後からすぐにエースとして活躍し、EDM路線に転換したモー娘。の再ブレイクに大きく貢献したメンバーだ。現在グループの強みであるフォーメーションダンスも、当初は鞘師の高いパフォーマンス力を活かすものとして定着していった。2015年のグループ卒業後は海外留学をしていたこともあり、しばらくは表舞台から遠ざかっていた。

 そんな鞘師は2019年に幕張メッセで開催した『ひなフェス』へのゲスト出演でステージ復帰を果たし、久々にファンの前に姿を見せた。その後はジャパン・ミュージックエンターテイメントへの所属を発表し、本格的に活動再開。公式サイトとファンクラブを開設した。舞台やテレビドラマ・バラエティ番組への出演、ラジオの冠番組など活動を少しずつ広げていき、先日1月11日に行われたオンラインライブで新曲「あの日約束したから」を披露した。初めて自身が作詞したバラード曲である。

 披露前のインタビューでは「わたしの経験として生まれた気持ちと共有したい気持ちと両方が届くといいなと思って書いています」と語っていた。自分の言葉を届けることを重視したということで、あえてダンスをせずに歌だけで表現していた。それはグループ在籍時とは違う方向性かもしれないが、彼女の想いがこめられた真っ直ぐな歌声は胸に響く。

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