福山雅治『AKIRA』、大差をつけてチャート首位に 目の前にいるような歌声の存在感&特徴的なリズムパターンに注目

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2020-12-21/

 12月21日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を飾ったのは福山雅治『AKIRA』で推定売上枚数133,166枚。2位以下に大きく差をつけた。初登場のリリースとしては、4位に少年隊『少年隊 35th Anniversary BEST』が18,488枚でランクインしたほか、6位にはドラマCD『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining LiveドラマCD「饗宴の奏鳴曲(ソナタ)」』(14,515枚)、8位IZ*ONE『One-reeler ACT IV』(11,906枚)が登場。前週初登場のMr.Children、中島みゆき、松任谷由実といったベテラン・大御所が存在感を示しているのが印象的だ。

 個人的に印象的だったのはIZ*ONEの『One-reeler ACT IV』で、特に「Sequence」の音数を抑えたタイトなアレンジはIZ*ONEの華やかなイメージ(本作で言えば「Panorama」のような)からすると意表を突く攻め方。シンプルな分、サウンドの作り込みとボーカルパフォーマンスそのものの絢爛とさえ言える鮮やかさが際立つ。ディスコファンク好きにはたまらない1曲で、BTS「Dynamite」が漂わす彼ららしい幸福感とはまた一味異なる、緊張感あふれるグルーブに虜になってしまう。ほか収録曲も含め、2021年4月の活動終了がどうしても惜しくなる。

[최초공개] 아이즈원 (IZ*ONE) - Sequence (4K) | IZ*ONE One-reeler Premiere
福山雅治『AKIRA』

 さて今回ピックアップしたいのは堂々首位を飾った福山雅治『AKIRA』。実に6年8カ月ぶりのニューアルバムだという。それもあって通常盤で全17曲収録、1時間10分のボリュームだ。もともと11月に先行配信されていた「心音」が少し気になっていた。打ち込みらしい人工的なサウンドや、リムショットが耳に残る特徴的なリズムパターン、TR-808的なベースの使い方が、こう言ってはなんだけれども思いの外しっくりくる。クレジットによれば、『AKIRA』収録の楽曲はすべて編曲まで福山が担当している。一部、井上鑑がストリングスやブラスのアレンジに入っていて、「心音」のストリングスも井上によるものだ。「こんなアレンジするんだ」という感想と、「なるほど、メジャー感のなかに見え隠れする宅録っぽさは気のせいとは限らないのかも」という感想が入り混じる。

福山雅治 - 心音(Special Movie)

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