TWICEが進める勇敢な創作の歩み “これまで”と“今”が描き出された近作『Eyes wide open』『BETTER』から考える

 10月に韓国で2ndフルアルバム『Eyes wide open』、そして11月には日本7thシングル『BETTER』を発表したTWICE。コロナ禍でライブの機会が失われている状況下、本国と日本でのリリースラッシュという精力的な創作活動によりファンに喜びを届けている彼女たちは、作品を通じてどんなメッセージを発信しているのだろうか。

TWICE『Eyes wide open』
TWICE『Eyes wide open』

 まず2017年にリリースされた1st『Twicetagram』以来3年ぶりのフルアルバムとなる2nd『Eyes wide open』から着目していきたい。

 本作のクレジットには、BoA「Milky Way」や東方神起「One」などを手がけたKenzie、SHINee「View」やf(x)「4 Walls」を世に届けたLDN NoiseというK-POPファンからの支持が厚い面々とともに、ジャスティン・ビーバーやThe Chainsmokersへの楽曲提供で知られるメラニー・フォンタナやミシェル・リンドグレン・シュルツといった世界的ヒットメーカーが名を連ねている。なかでも目を引くのは、トラックリストの最後を飾る「BEHIND THE MASK」で実現したHeizeとデュア・リパによる韓英シンガーソングライターのコラボレーション。内省的なリリックをメロディアスなラップで表し絶大な人気を集めるHeizeが作詞を手がけ、UK音楽シーンを牽引するグラミーアーティスト・デュア・リパが作曲に参加している同曲は、国内外から多種多様なソングライターたちが集う本アルバムを締め括るにふさわしいナンバーだ。

 グローバルシーンをまなざしたサウンドを取り入れ、グループにおける音楽的志向のシフトチェンジを果たしたこの『Eyes wide open』は、デビューから世界中にファンを増やし続けている“いまのTWICE”が踏み出した、新たな表現域への第一歩が刻まれる作品といえるだろう。

 しかし同時に、TWICEのプロデューサー・J.Y. Park “The Asiansoul”がリード曲「I CAN’T STOP ME」を手がけていることをはじめ、e.one、シム・ウンジ、FRIDAY、イ・ウミンなど、TWICEの過去作を手がけてきた作家陣も参加している点は、本作で試みられたグループとしての革新とこれまでの歩みを地続きにする重要な要素だ。また1st『Twicetagram』に続き本作でも5人のメンバーが作詞に携わっているほか、トラックリストの作成や衣装についてもグループ内で意見交換が行われたなど、クリエイティブにおいて彼女たち自身の声が大きく反映されていることも特筆すべきポイントである。

TWICE TV “I CAN’T STOP ME” EP.03

 サウンド面とともに注目したいのは、リード曲「I CAN’T STOP ME」の振り付けだ。「FANCY」「Feel Special」「MORE & MORE」「Fanfare」を手掛けてきたコレオグラファー、キール・トゥーテンやイ・イジョンと、ジャネット・ジャクソンやビヨンセ、シアラらの作品参加で知られるジョンテ・モーニングによる合作となっている同楽曲のダンスには「Like OOH-AHH」や「SIGNAL」「Heart Shaker」など、過去作を彷彿とさせる彼女たちらしいポイントダンスやフォーメーションが節々でみられながら、ヴォーギングやグラインディングといった今やグローバルミュージックシーンにおいて欠かすことのできない普遍的なダンスムーブも挑戦的に取り込まれており、グループのアイデンティティの中にアーティストとしての成熟と進化を映し出している。

TWICE “I CAN’T STOP ME” M/V

 このように“これまでのTWICE”と“今のTWICE”が地続きとなって描き出された『Eyes wide open』から感じられるのは、デビュー6年目を数えたTWICEの表すグループとしての姿そのものが、彼女たちの作品を物語るフェーズに至っているということである。それは、まさにメンバーのミナが話していた「TWICEはファン、そして世界と共に進化しています。私たちは私たちであり続けながら、グループの成長とともに新しい音楽、振付などに挑戦することを大切にしています」(参照:BuzzFeed)という言葉にも示される、表現者としての彼女たちの現在地とも言える。

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