Snow Man、1stライブ『Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.』から感じた底知れぬ可能性 観客を驚かせたステージ演出とは

YouTubeやバラエティで培った新人とは思えぬトーク力

 ライブ中盤のコーナーもずば抜けた安定感でトークを披露。ここでも彼らの特徴である“全員参加”スタイルが貫かれていた。メンバーのトークには必ず全員でリアクションし、誰一人として傍観者がいないスタンスはさすがである。大人数のトークはともすると参加していないメンバーがいそうなものだが彼らのプロ意識には一瞬の隙もない。誰のファンが見ても楽しめるMCコーナーもSnow Manライブの強みのひとつだろう。ミリオンを達成した2ndシングル曲「KISSIN’ MY LIPS」はピンクと黒を基調にしたスーツに深紅の手袋で披露しセクシーさを爆発させた。今回は4パターンの衣装となっていたがメンバーの個性を生かした様々な衣装デザインを見れるのもライブの楽しみのひとつだ。「KISSIN’ MY LIPS」に続いてミディアムバラードの「終わらないMemories」は縦花ムービングステージで高低差をつけて見ごたえのあるステージ構成となっている。

 後半もこれでもかと見どころがギッシリ、いや全編が見どころと言うべきか。岩本が振付をしたキャッチーなメロディと歌詞が印象的な「君の彼氏になりたい。」はライブ配信の後にYouTubeで岩本が振付を解説しているのでぜひチェックしてほしい。「Lock on!」が会場の座席を使ってファンと一緒にいるかのような演出も取り入れられていて胸熱だ。

ⅥからⅨへーーこれからのSnow Man

 ダンスコーナーではアスレチックを彷彿とさせるセットで縦横無尽にアクロバットを繰り広げながらメンバー個々のアピールタイムで楽しませた。また彼らの強い決意のメッセージとも受け取れたのが「IX Guys Snow Man」。原曲は向井、目黒、ラウールが加入前の楽曲「VI Guys Snow Man」の歌詞を6から9に変え、新たなSnow Manの楽曲としてパフォーマンスを行った。ラストに再び披露された「D.D.」ではアリーナ外周へ大型トロッコに乗って登場。スタンドに向けそこにいるファン一人ひとりを想うように懸命に手を振る9人の姿が印象的だった。

 10月31日の『らじらー!サタデー』(NHKラジオ第1)では深澤と宮舘が「身体がヤバい」「顔に全部疲れが来た」などと自虐も含め満身創痍の4日間9公演の生配信を振り返った。同時に宮舘は「皆さんからの愛をたくさん感じた」とも告白し感謝を伝えた。デビューライブが無観客配信という形になったものの、ファンと9人の絆はより強固になったに違いない。またDVD化も予定されているとのことなので、3rdシングルと共に再びあのライブを楽しめる日を待ちたい。そして近い未来、再び多くのファンの歓声と共に日本はもちろんアジアの各国でペンライトの光の中心に立つ9人の姿を見る日を楽しみにしたい。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる