優里、新曲「ドライフラワー」で歌う「かくれんぼ」アフターストーリー 登場人物の関係性や想いがより鮮明に
シンガーソングライターの優里が、10月25日に新曲「ドライフラワー」をデジタルリリースした。
今年8月9日にデジタルリリースした1stシングル「ピーターパン」でメジャーデビューを果たした優里。様々なアーティストの曲をカバーした歌唱動画を投稿していたTikTokやYouTube、Twitterでも徐々にフォロワー数を獲得し、その日本人離れした伸びやかな歌声で若者を中心に人気を集めていった。そんな彼を一躍有名にしたのが、2019年12月1日に配信した「かくれんぼ」だろう。
近年は瑛人「香水」やひらめ「ポケットからきゅんです!」をはじめ、TikTokから話題になる楽曲が増えているが、優里の「かくれんぼ」もそのひとつ。元恋人との別れを受け入れられない気持ちを描いた歌詞や、それを歌う優里の心を落ち着かせるハスキーボイスが強い印象を残した。同曲はTikTokの動画に続々と使用され、iTunes総合チャート4位、LINE MUSIC“BGM&着うたTOP100”6位、Spotifyバイラルチャート4位と、各ストリーミングサービスで上位にランクインするなど、”かくれんぼ現象“と呼ばれるロングヒットを記録。一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」内のコンテンツ“THE HOME TAKE”で披露したMY FIRST STORYのNobがスペシャルアレンジを手がけた「かくれんぼ」も同曲の認知度を上げた。
新曲「ドライフラワー」は、そんな「かくれんぼ」で登場した彼女の目線で描かれたアフターストーリーのような楽曲に仕上がっている。突然彼女が自分の前から姿を消した現実を受け入れられない男性にフォーカスがあてられていた「かくれんぼ」。一方、付き合っていた頃に彼女が何を思っていたのか、どうして別れを選択したのかが「ドライフラワー」には克明に描かれている。多くの人が経験したことのある恋人との“すれ違い”。私たちは「かくれんぼ」を聴いて主人公の気持ちに同情し、共感したように、片方からの目線で事実を把握しがちだ。けれど、そこには恋人同士しか知ることのない真実がある。
例えば、「かくれんぼ」の〈君はまたねって言ったよね/嘘はやめてと口うるさく言ってたでしょ/そんな君が嘘をつくの?/僕を一人置いていくなんて間違ってるよ〉というフレーズ。あたかも前触れもなくいなくなった相手を責めるような口調で語られるが、「ドライフラワー」の〈ずっと話そうと思ってた/きっと私たち合わないね/二人きりしかいない部屋でさ/貴方ばかり話していたよね〉という歌詞をみれば、彼女が前々から彼氏に対する不信感を抱いていたこと、別れの予感があったことがわかる。「かくれんぼ」を聴けば彼氏に、「ドライフラワー」を聴けば彼女に気持ちが引き寄せられ、交互に聴くことでふたりの関係性が鮮明になっていくのだ。