優里、これまでとこれからを伝える序章のようなステージ 新曲「ドライフラワー」も初披露した配信ライブレポ

優里、配信ライブレポ

 今年8月メジャーデビューを果たした優里が、10月16日無観客配信ライブ『繋がり~かくれんぼからドライフラワーへ~』を開催。デビュー以降初めて立った今回のステージで、優里は初披露曲を含む渾身のオリジナルナンバーとファンからのリクエストに応じたカバー曲を交えながら全14曲を届けた。

 優里は暗転した舞台に一人佇み、「みなさんお久しぶりです。優里です。今日は僕のライブに来てくれてありがとうございます」と笑顔で挨拶。「今日このライブを画面の向こうの皆さんが一緒に楽しんでもらえたらなと思って歌をうたいます」と意気込みを語ると、大きな話題となったエレキコミックのやついいちろうが初監督を手がけたMVをバックにデビューシングル「ピーターパン」を披露した。ギターをかき鳴らす優里の表情は真剣そのもので、画面からも現場の緊張感が伝わってくる。常識にとらわれた大人からの雑音に耳を塞ぎ、〈おとぎ話みたいなハッピーエンドを思い描いて生きていくんだ〉と言い放つフレーズは、音楽で勝負してきた優里の気概を感じさせる。ラストの大サビ前にはギターを弾く手を止め、遠く離れたファンにも届くように歌声を響かせた。

 優里はデビュー前からSNSに中島みゆきやジャスティン・ビーバーなど幅広いアーティストの楽曲を歌唱した動画を投稿してきた。特にTikTokはフォロワー数12万人を突破しており、どの動画にもファンからの熱いコメントが残されている。今回はそのTikTokで話題の3曲を続けてカバーした。まずは、秋の季節にぴったりのオレンジスパイニクラブ「キンモクセイ」。爽やかなギターリフに導かれ、優しい歌声で奏でる優里の額に汗が流れる。演奏後着席すると、「みなさん楽しんでいただけていますかね」とファンからのコメントをチェックし笑顔を覗かせた。そして、川崎鷹也「魔法の絨毯」を歌唱中は目を閉じてエモーショナルに、もさを。の「ぎゅっと。」ではポップに。優里なりの解釈で歌うカバー曲はどれもオリジナル性に溢れている。

 続けて披露するのは、「優里ちゃんねる」の企画「【新曲完成!?】新曲作り終わるまで帰れま10してみたらまさかの散財した(by優里スタッフ)」から生まれた未発表のオリジナル楽曲「花鳥風月」。Aメロ~サビまでのメロディは動画内で公開されていたが、歌詞を入れた状態で披露されるのは今回が初となった。「ライブでファンと一緒に歌いたい」という想いから制作された同曲は、ずっしりとした4つ打ちのビートが響くダンスナンバーに。優里の〈ともに叫べよ〉という掛け声を皮切りに、〈oh oh oh oh oh〉と全員で歌声を合わせられるサビが印象的だ。配信ライブではありながら、優里とファンが会場で一体化した未来の有観客ライブが想像できる。

 「いつかオリジナル曲だけでライブできる日が来て、みなさんと楽しめたらいいなと思います」と決意を新たにしたMCを挟み、オリジナル曲「かごめ」へ。優里が曲に込めたさまざまな想いは、画面越しでもファンに伝わったはずだ。

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