NMB48のステージから感じた“新世代が台頭するグループの姿” 山本彩、渡辺美優紀らも集結した10周年記念ライブ
山本彩登場の後でNMB48が何を残せるか
さて、大阪のグループだけに、ここまで来たなら“あの人”が出てこないと「オチがない!」とドヤされることだろう。NMB48の初期曲「青春ラップタイム」で、「超超超スペシャルゲスト」と呼び込まれたのが山本彩だ。パフォーマンス中、現メンバーはかつての絶対エースのもとに駆け寄って次々とハグ。
歌唱後、山本彩は「みんなとやる機会は2年ぶり。裏で震えていました」と緊張していた様子。しかし、さや姉を前に恐縮する小嶋花梨に対して「任せて良かった」、白間美瑠にも「成長したというとおこがましいけど、(ライブを見て)私の知らない美瑠がいて、嬉しい」と彼女らの飛躍を絶賛。現在のNMB48についても「よりカラーが濃くなった。10周年で、私が知らない2年間があって、自分たちで2年間を作り上げてくれた」と後輩たちの進化を喜んだ。
現NMB48としては、10周年記念ライブでOGたちを主役にするワケにはいかない。出口結菜が「素晴らしい先輩が参加してくださってエモいセットリストになった。先輩たちってすごい」と感激していたが、残りのライブタイムで試されるのは、今のNMB48が何を残せるかだ。
その点を注視していたが、終盤曲「ナギイチ」、「僕らのユリイカ」で実感したことは、現NMB48の総合力の高さだ。これまでの10年を築いたNMB48は、まさに個性派揃いで、それがひと塊になったときの迫力がすさまじかった。もちろん現NMB48も際立った存在感を持つメンバーがたくさんいるが、何より統制力が抜群だ。白間美瑠、吉田朱里、小嶋花梨ら、楽曲によって誰を軸とするべきかしっかり見据えた上でのパフォーマンスが出来上がっている。
「北川謙二」のときも、吉田朱里と渋谷凪咲の“ツーショットタイム”がきっちり見せ場となっていたし、「だってだってだって」ではグループのチームワークが光った。この日、初披露となった「恋なんかNo thank you!」も吉田朱里がグループの柱であったことをきっちり讃える内容となっていた。
「三日月の背中」のパフォーマンスを見たとき、新たな伝説を積み上げようというアグレッシブさを実感(ちなみにここで2018年5月卒業の市川美織が「しれっといました」とまざっていた)。アンコール曲「365日の紙飛行機」でしっとりさせた後、「ワロタピーポー」を持ってきて、白間美瑠が「笑えー!」と叫んだとき、笑いの街・大阪らしいグループの良さが改めて伝わり、ネガティブになりがちなこの時代にNMB48は間違いなく必要であると思えた。OGたちに目を奪われながらも、新世代が台頭するNMB48の姿に終始、ワクワクする一夜だった。
■セットリスト
『NMB48 10th Anniversary LIVE 〜心を一つに、One for all, All for one〜』
2020年10月23日(金)@大阪城ホール
M00:overture
M01:誰かのために
M02:夢は逃げない
M03:理不尽ボール
M04:最後のカタルシス
M05:告白の空砲
M06:イミフ
M07:イケナイコト
M08:好きになってごめんなさい
M09:やさしさの稲妻
M10:オネストマン
M11:ロマンティックなサヨナラ
M12:Which one / Queentet
M13:サササ サイコー!
M14:太陽が坂道を昇る頃
M15:虹の作り方
M16:みなさんもご一緒に
M17:らしくない
M18:ハートの独占権
M19:想像の詩人
M20:アーモンドクロワッサン計画
M21:カモネギックス
M22:青い月が見てるから
M23:12月31日
M24:わるきー
M25:ライダー
M26:結晶
M27:青春のラップタイム
M28:ナギイチ
M29:僕らのユリイカ
M30:北川謙二
M31:だってだってだって
EC1/M32:恋なんかNo thank you
EC2/M33:三日月の背中
EC2/M34:365日の紙飛行機
EC2/M35:ワロタピーポー