ゴールデンボンバー、全国各地のファンへ思い届けた『エアーツアー』 地方民を大事にするエアーバンドならではの奇策
最終日は、沖縄で三線を楽しむゴールデンボンバー御一行の映像を経て、「やんややんやNight ~踊ろよ沖縄~」でスタート。この日は青い海やシーサーを背景にしたステージとなっていた。
沖縄ということもあり樽美酒はいつもの挨拶をアレンジし、「ちんすこう~」と高らかに叫ぶ。それぞれの自己紹介を挟んで「抱きしめてシュヴァルツ」へ。曲間のソロタイムでは、「本場のシークヮーサーサワー」を作るために、自慢のお尻でシークヮーサーを絞り、それを一気飲み。喜矢武は紅芋を早食いしたかと思えば、懐に仕込んでいたゴーヤを貪りだす。もちろん生だ。
「ゴールデンボンバーにも南国っぽい曲があったよ」という鬼龍院の言葉から、「じれったい」を披露。曲間ではHYのファンだという喜矢武が客席に登場……したかと思えば、「H(羽生)Y(結弦)」の格好でローラースケートでプーさんのぬいぐるみを抱えて疾走する。「楽しそうだからいいけど」と歌広場は呆れ気味だ。
MC中に背景に突然ハブが見切れ、困惑するメンバー一同。そして、沖縄といえばダイビングという前フリから、「海山川川」では水中でダイビングを楽しむ喜矢武の映像が映し出されるが、引きで見ると海ではなく客席に設置してある風呂だったというオチへ。それにしてもこの3日間の喜矢武の身体の張り具合ときたら……。
「忙しくてよかった」を切なげに演奏する中、先程のハブが再登場したかと思えば、ついでにマングースも乱入し喜矢武に襲いかかる。情報量が多すぎる!
そして、ゴールデンボンバーの「笑い」に振り切った3日間は「女々しくて」で締めくくられたのであった。なお、8月のワンマンライブに続いて、ライブ終了後に金テープに書かれたメンバーのメッセージがQRコードから確認できる親切仕様も健在だった。
アンコール前には、歌広場(初日)、樽美酒(2日目)、喜矢武(3日目)による「とあるバンギャの自宅中継」映像を挟むという演出も心憎い。それを挟んで、毎ライブ後に行われた「打ち上げパート」では、カニやたこ焼き、シークヮーサージュースなど各地の名産を用意。このメニューのうち一部は事前告知されており、ファンも同じ食べ物を用意することで、同じ時間を共有している感覚が楽しめるのも、こういった形の配信ライブならではといえるだろう。なお筋トレや食事制限に余念がない樽美酒も、この3日間ばかりは「チートデイ(何を食べても良い日)」とのこと。
この3日間、最初の「やんややんやNight ~踊ろよ●●~」と最後「女々しくて」、定番の「抱きしめてシュヴァルツ」以外はすべて異なるセットリストな上、細かい部分にネタを仕込み、観るものを楽しませたいという彼らの気概に、笑いながらもなんだか感動してしまった。「~気持ちは●●~」というタイトルのとおり、全国各地のファンへ気持ちを届けてくれるような3公演だった。
なお、本公演はアーカイブも配信されているので、見逃した人も是非その目で確認してほしい。諸事情によりレポートに書けないネタもありますので……。
■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。執筆媒体は「ウレぴあ総研」「サイゾー」「SPA!」など。Twitter