ゴールデンボンバー、“現段階での可能な限りの配慮”とともに開催した配信ライブ 画面越しのファンとの交流や新曲初披露も

ゴールデンボンバー配信ライブレポ

 8月1日、ゴールデンボンバーの有料無観客ライブ『去年の無人島より100倍マシ ~電気があるって素晴らしい~』が、ニコニコ動画にて配信された。

 ゴールデンボンバーにとって無観客ライブ配信は初めてのことではない。昨年は『地方民について本気出して考えてみた』ツアーを無人島の無観客ライブで締めくくった彼らであるが、電気の通っていない無人島に機材を持ち込みステージを作り、無料で配信したため、800万円の赤字を生んでしまったという。今回はタイトル通り有料配信、電気のある会場で開催することに。一体どのようなライブパフォーマンスを見せてくるのだろうか。

 ニコニコ動画のコメントや、Twitterハッシュタグ「#金爆無観客ライブ」では、自宅でもバンドTシャツを着用していたり、タオルやペンライトを用意していたりと、開演前から各々がライブ参戦を楽しもうとする言葉で溢れていた。

 まず鬼龍院翔(Vo)が単身ステージ上に登場。今回のライブ公演について、「安心して笑っていただくために」と、会場の扉を開放するなどし常に換気を行っていること(エアーバンドなので、開放しても音漏れは少ないとのこと)、検査結果は100%ではないと前置きし、スタッフへの抗体検査、加えてメンバーとマネージャーに自費でクリニックを予約してPCR検査を行い、全員陰性であったことを視聴者に伝えた。なお、演奏中の鬼龍院のマイクには飛沫拡散防止と思わしき透明なカバーがつけられていた。「現段階で可能な限りの配慮」を最大限にやっていることが伺える。

 「安全にふざけさせていただきます!」と、一旦鬼龍院はステージから去り、ライブは毎度恒例「ワンマン不安」でスタート。樽美酒研二(Dr)、歌広場淳(Ba)、喜矢武豊(Gt)が続々とそれぞれポーズをとりながら登場、ニコニコ動画でユーザーからの拍手を意味するコメント「888888888」が画面いっぱいに表示される。

 続いて「#CDが売れないこんな世の中じゃ」、「Sick Lady たぶん…」、「元カレ殺ス」と、アッパーな曲が続き、鬼龍院が「ご近所迷惑にならない程度に騒いでいこうぜ!」と画面の向こうの視聴者を盛り上げる。ステイホーム期間ボケを起こしてしまったのか、「Sick Lady たぶん…」の楽器隊の(エアー)ソロパートでは、樽美酒がステイホーム期間中にInstagramで公開していたミシンの技を披露、「元カレ殺ス」のギターソロではギターを弾くフリすらせず直立不動の喜矢武。

 無観客とは思えないテンション、普段どおりのゴールデンボンバーのライブである。観客の盛り上がりまで見えるかのよう……、というか過去の客席映像や歓声がカットインされているじゃないか。どうやら、鬼龍院の足元にあるサンプラーによって歓声を操作できるという。このシステムなら普段はファンに無視される「キスミー」の挨拶にも大歓声が! メンバー専用の歓声も用意されるも、喜矢武は「喜矢武さま~」コールをうざったがり、拳銃を発砲。歌広場を呼ぶ声に馬の鳴き声が混ざったり、恒例の樽美酒のコールにも(鬼龍院がスイッチを押すことで)歓声があがる。流れてくるコメントにも触れ、「ファンからの念が、生霊が伝わってくる」とメンバーも画面の向こうのファンの存在を心強く思っているようだった。

 喜矢武の「スイカが食べたい(衛生面の問題を鬼龍院に指摘されるが、「大丈夫」と言い張る喜矢武)」、樽美酒の「お気に入りのTバックを見つけた」の話を前フリに、「抱きしめてシュヴァルツ」がスタート。この曲の感想では毎度前フリにちなんだネタが披露されるのだが、喜矢武は煮沸消毒のため煮立った鍋に入ったスイカを「リアルあちい!」と一気食いチャレンジ。続いて煮沸消毒したTバックとブラジャーを着用し、のたうち回る樽美酒。「それは(口に入れるものじゃないから消毒しても)意味ない!」と鬼龍院がツッコミを入れる。

 続いてすでにYouTubeで公開されていた「バブルはよかった」をライブで初披露。しかし喜矢武は曲が始まる前に「お腹が痛い」とトイレに駆け込んでしまう。「せっかくライブなのに、トイレなんて前代未聞……いやわりとあるなゴールデンボンバーは」と鬼龍院。「コメントで心配してる人もいるけど、(個人的には)“楽しみだな”って……!」と歌広場。そんな期待に応えて「バブルはよかった」の曲間では、リモートビデオ会議の入室音とともにスクリーンが4分割され、トイレの中でリモートギターソロ(※タイムラグ有り)を行う喜矢武の姿がアップになる。

(左上)鬼龍院翔(Vo)、(右上)喜矢武豊(Gt)、 (左下)歌広場淳(Ba)、(右下)樽美酒研二(Dr)

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