ゴールデンボンバー 鬼龍院翔が振り返る、配信ライブとその後の報道 チケット価格設定の背景も明かす

鬼龍院翔が振り返る配信ライブ

 8月1日に無観客生配信ライブ『ゴールデンボンバー有料無観客ライブ「去年の無人島より100倍マシ ~電気があるって素晴らしい~」』を開催したゴールデンボンバー。会場の換気やメンバーのPCR検査など、その時にできる最大限の配慮を行ってのライブとなった。今回リアルサウンドでは鬼龍院翔にインタビュー。前編ではライブ本編を振り返ると同時に、数日後に歌広場淳の陽性反応が判明し報道された際の心境、配信ライブに対する向き合い方などを語ってもらった。(編集部)

「触れないでいるのは不自然なくらい、世界は大きく変わってしまった」

――8月1日に開催された無観客ライブ『去年の無人島より100倍マシ ~電気があるって素晴らしい~』の手応えから伺ってもよろしいでしょうか?

鬼龍院翔(以下、鬼龍院):ライブの手応え云々よりも、その後の歌広場淳に陽性反応が出たという話題の方が、拡散してしまって報道されていたので、手応えを報道が押し流してしまった感じですね(汗)。

――無観客ライブのレポートもさせていただきましたが、換気や飛沫への対策だったり、事前の検査だったりと、かなり対策をとっていました。

鬼龍院:対策を万全にしていったからこそ、そこで感染を広げることにならなかったということは確かなんです。これは屁理屈かもしれないけど、感染者がいない状態で対策をしても、それが万全だったかわからないわけで、つまり今回は対策がうまくいっていたという見方もできる。

 なぜ、そういう結論になるかと言うと、その後の検査結果も、歌広場淳以外は全員陰性だったからです。もちろん100%とは言えない検査ではありますが、ライブのせいで感染したという話にはならないはずなので。それがはっきりしているから、対策はできていた、感染拡大させることもなかった。できればそういう方向に、発信していきたいんですけどね。

――今現在、世界中のアーティストがライブのやり方を模索している中、ひとつの可能性が提示できたことは事実だと思います。

鬼龍院:ただ、今は正直イメージが良くないというか、本人たちがそれを積極的に発言していいような空気ではない。

――「何を開き直っているんだ」という捉え方をされてしまうリスクがあると。

鬼龍院:もちろん、その発信を認めてくれる、許してくれる人もたくさんいると思うんですけど、「感染者を出した組織はおとなしく頭をたれているべき」という雰囲気も、若干あるように感じるので。それに、一番大変なのは歌広場本人ですから。

――たしかにそうですね。

鬼龍院:僕らは決めていた仕事に穴をあけてしまう状況に関しては謝罪しましたが、「陽性反応が出てすみません」みたいなことは、絶対に言わない方がいいと思っていました。けれど、それもネットニュースなどで雑にまとめられて、陽性を謝っているようにとられてしまうこともある。結局、どうしたっていろんな情報の拡散がコントロールできない部分があるので、発言には気をつけております。

――大変ですね。

鬼龍院:よくそう言われますけど、慣れちゃいましたね。だからもう大変じゃないんですよ。とはいえ、今回の件に関しては、結構大変だったかもしれない。あんなに翌日ワイドショーで報道されるとは思いませんでしたし。

――ライブ本編の話を伺ってもいいですか。やはりゴールデンボンバーのライブにおいて、時事ネタを面白可笑しくイジるネタが魅力だったりするじゃないですか。インタビューの発言にも気を使っている鬼龍院さんですが、今回のライブで時事ネタを扱う際に、どんなことを意識されたのでしょう?

鬼龍院:日本だけじゃなく、世界中の色々な生活様式が変わってくる中で、まったく現状に対してのネタを入れないことも、やろうと思えばできたとは思うんです。でも、触れないでいるのは不自然なくらい、世界は大きく変わってしまった。なので、観てくれる人が暗い気持ちにならない程度に、時事ネタをいれたつもりです。そのバランスはすごく考えました。やっぱり人が亡くなってしまっていることなので、できる限り悲しいことを連想しないような触れ方にしました。

――そうだったのですね。

鬼龍院:これまでも時事ネタは色々やってきましたが、例えば、■■■■■が■■した時は……。

マネージャー氏:書けません!

鬼龍院:じゃあ■■■■が■■った時の……。

マネージャー氏:それも書けません! ほら、「恋ダンス」が流行った時、「恋ダンス」と言いつつ、モーニング娘。さんの「恋のダンスサイト」を踊ったりとかあったじゃないですか。

鬼龍院:そうですね。タピオカが流行っているときに、タピオカが好きですって言って、タピオカを丼にして食べるみたいな、時事ネタをより強烈にしてやるっていうのは、ゴールデンボンバーが基本的にやっていることではありますので。今回も人が暗くならない程度の時事ネタ、みんなが厳しい苦しい生活を強いられている状況で、暗くならないようにとバランスは考えました。今はテレワークが話題になってるから、リモート画面でギターソロとか、熱湯での消毒をネタにしたりして。他のアーティストさんが先にやってたらどうしようかという悩みはありました。

――熱湯に入れた下着を着用するアーティストさんは他にいないと思います(笑)。

鬼龍院:そうそう、あのギターソロのネタバラシですけど、ディレイというか音が遅延するじゃないですか。あれは、観ている人がわかりやすいように、わざと遅くしてるんです、リアルなリモートの遅延だと、音はそこまで遅延しないんですね。そういう演出はしています。

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