櫻坂46が「Nobody’s fault」で見せた新たな攻めの姿勢 大胆かつ繊細、躍動するメンバーの姿からデビュー曲を考察

 センターに立った森田ひかるも、大方の下馬評通りでありながら想像以上の存在感である。森田がセンターに立つことついては以前記事にしたことがあるが(欅坂46 2期生 森田ひかる、センター抜擢の意義とは? パフォーマンスから見えた新たな道筋)、グループで最も低い身長ゆえに見栄えとしてバランスがいいという視覚的な説得力がひとつ。そして終盤のシャウトでジャンプしながら叩きつける場面の躍動感は、小柄な彼女だからこその衝撃と言っていいだろう。力強さと繊細さのある振りを、体全体で表現している。

 最後に、少しだけ選抜についても触れておきたい。記事執筆時点でこれが正式なフォーメーションなのかまだ不明ではあるが、もしこれで確定だとすれば、立ち消えになった(選抜だけ発表された)欅坂46の9枚目シングルで選抜から漏れたメンバーのうち、翻って今回選抜されたのは小池美波、尾関梨香、山﨑天の3人。その3人ともが他のメンバーを凌ぐほどの活躍を見せている。特に小池に至っては裏センターとも言うべき重要なポジションで、7月の配信ライブ『KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU !』での経験が今作に活かされてるように思える。この1年の間に一皮剥けた彼女が、自分の魅力をしっかりとこの作品に注いでいるように感じるのだ。要するに、今回選ばれなかったからといって“勝手に絶望”する必要はないということだ。今作のことは割り切って、次の作品へ向けて切磋琢磨してほしい。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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