豆柴の大群 カエデフェニックスは、どこまでも純粋で努力家なメンバー クロちゃんにも愛された心優しいキャラクター性
小学6年生の頃にSUPER☆GiRLSと出会い「いつか自分も人を笑顔にする立場になりたい」と、10年もの間アイドルオーディションを受け続けてきたカエデ。その間には、ナオと同郷の北海道で同じアイドルグループに所属していた運命的な経歴もある。だが、一方でクロちゃんからオーディションの落選理由として突きつけられたのは、「ダンスと歌が遅れをとっていた」というアイドルとして致命的な現実だった。豆柴はほかのWACK所属のグループと同様に、ボーカルにおけるトップを立てているため、メンバーによって歌うパートの量も顕著に差がある。豆柴におけるツートップは、ナオとハナエ。そこにミユキが並んでいるのが現状の豆柴のフォーメーションであるが、カエデの努力も少しずつ開花し始めている。それが、『AAA』収録の「恋のかけ算 ABCDEFG」でソロパートを獲得していることだ。WACKの中でも特にクロちゃん曲とWACK曲とで陰陽がはっきりしている豆柴。「恋のかけ算」はカエデの愛らしい声色がより活かされた楽曲でもある。
最年長で現役大学生ながらポンコツとメンバーにいじられているカエデだが、最近ではそこにあざといキャラも加わってきている。YouTube企画「私服でファッションコーデ対決」では、年下彼氏を誘惑するためにノースリーブで肌を露出。「恋のかけ算」の衣装が水着と決まった際にも「ちょっと脱ぎたかった」と自身を豆柴のセクシー担当だと話し、クロちゃんを驚かせている。
「初めてを頂いた」とアピールするクロちゃんのキャラ・初めておじさんに対し、ちゃんと「気持ち悪い」とリアクションを取れるようにもなってきた。温厚な性格はそのままに、カエデの新たな扉が少しずつ開き始めている。
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■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter。