DEEP SQUAD、真摯に“歌”と向き合う6人それぞれの声の魅力 カバー動画と「Get With You」から分析

 EXILEを筆頭に幅広い世代のメンバー達が属し、様々なグループ形態で革新的なエンタテインメントを発信し続けているLDH。本稿では各グループの“歌い手”について、その歌声の特徴やグループとしてのコンビネーション力を分析してきた。

 今回は2020年にメジャーデビューシングル『Get With You』をリリースした6人組のボーカルグループ・DEEP SQUADについて紹介する。

6人組の実力派ボーカルグループDEEP SQUAD、それぞれの歌声の魅力

 まず彼らの歌を知らない方には、今月公式YouTubeにて公開されたあいみょん「マリーゴールド」のカバー動画を見てもらいたい。

あいみょん / マリーゴールド by DEEP SQUAD

 冒頭のアカペラ部分だけでも、美麗なハーモニーと歌唱力が体感できたことと思う。彼らはLDH所属アーティストの中でも特に“歌”に特化して追求してきたボーカルグループ・DEEPによる新プロジェクトなのだ。

 これまでDEEPとしての活動を重ねてきたYUICHIRO、TAKA、KEISEIの3人に、2019年に行われた『DEEP VOCALIST AUDITION』を勝ち抜いてきた宇原雄飛、杉山亮司、比嘉涼樹の3人が加わった6人組グループのDEEP SQUAD。まずは、DEEPメンバーから順に一人ひとりの歌声について注目していきたい。

 まず先の動画では冒頭(0:01~)から、小鳥のさえずりのように高く澄んだ歌声を響かせているのがYUICHIRO。柔らかい聴き心地でありつつも非常に明瞭に声音を響かせるため、滑らかにパートが切り替わっていく楽曲内でも特に印象に残りやすい。また、かなり高音まで透明感を維持しつつ強く響かせるミックスボイスも一聴の価値ありだ。

 リーダーのTAKAは、深い息の流れが感じられるような、ひときわ優しく暖かみのある歌声が特徴。動画では1番サビ(1:33~)を担当しており、優しく寄り添うような歌声から詞の流れに合わせて徐々に情感を強めていく、見事な表現力が堪能できる。

 KEISEIは、息の成分が多めで穏やかな声色が特徴的。動画では1番Aメロ(1:02~)からパートが来るが、特にアクセントの強弱を意識し一語一語をしっかりと伝えていることが分かる。それでいて伸ばす部分は余韻も美しく響かせており、こちらも確かなキャリアで培われた表現力が光るボーカリングだ。

 続いて新しく加入した3人の中で、特に先の動画でフィーチャーされている比嘉涼樹。歌い出し(0:42~)から分かる通り、滑らかさと色気のある声音が特徴で、所々でエッジを効かるなどの繊細なニュアンスや抑揚がそれを引き立てている。特に中高音の地声を強く発した際のエモーショナルな響きが魅力的だ。

 新メンバーの中では特に透明感があり、息を含んだ豊かで伸びやかな歌声が特徴の杉山亮司(1:24~)。そこはかとなく男性的な色気のある声だが、息の流れが感じられるためサラリとした質感があり、細かにつけられる抑揚の中にも優しく爽やかな聴き心地の余韻が残る“癒し”の歌声の持ち主だ。

 グループ最年少の宇原雄飛(1:55~)は、少し“かすれ”のある声による甘く優しい節回し、表情豊かなボーカリングが魅力だ。新メンバーの中では比較的太い声質でありつつ、時折少年のような素朴な音色が混ざるなど、短いフレーズの中でも表情が豊かに感じられる点も特徴的である。唯一の10代メンバーだが、これからどのように成熟していくのか楽しみなボーカリストだ。

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