Kis-My-Ft2、変わらぬ“バラエティモンスター”の貪欲さ キスマイらしさ溢れる『10万円でできるかな』ゴールデン特番を振り返る

 『ミュージックステーション』に潜入したのは千賀健永。アートディレクターの横井勝をはじめ、クリエイターたちによるCG制作現場を体験した。ちょうど密着の3日後に同番組への出演を控えていた千賀は、パフォーマンス時に使用される演出案のチェックに立ち合うという貴重な経験も。デザイナー作成のラフ案にズバッと切り込む横井。「僕は好きですよ」と、たどたどしくもデザイナーをフォローする千賀。彼らしい心遣いだった。

 そして生特番のファイナルを飾る、キスマイ生歌メドレー。演出には、千賀が作成した「Everybody Go」のロゴデザインや「光のシグナル」の背景アートが使用された。さらに、最新技術によって千賀の巨大アバターが登場し、サンドウィッチマンとの合成アバターが踊るなど、まさに一夜かぎりの特別なステージを披露。スタッフロールには、アートディレクターとして千賀の名前がしっかりと刻まれていた。

 普段番組ではあまり見ることのない、アイドル・Kis-My-Ft2のステージを体感し、ゲストのいとうあさこは「めっちゃ笑ったのに最後、感動しちゃった」と涙ぐみ、サンドウィッチマンは「キスマイかっけえな!」「すごいな」「これからもよろしく」と、興奮気味に思いを伝え、満面の笑顔を見せた。

 伊達みきおは翌日、キスマイへの愛に溢れたブログをアップ。彼らの絆はこれからも、太く長く続いていくことだろう。

周囲から愛されるキスマイ

 『10万円でできるかな』は2017年スタート。前身番組の『キスマイレージ』はもちろん、よゐこ・濱口優がバラエティのイロハをキスマイに叩き込んだ『濱キス』『キス濱ラーニング』から、何度形を変えてもずっとキスマイと歩み続けてきたスタッフが、企画・制作に携わっている。

 演出担当の米田裕一は、スペシャル放送前後に感慨深いツイートを投稿。番組ラストには「せんべい1000枚の先に…こんな未来が!」「キスマイおめでとう!」とテロップが入った。

 これまでに経験した、せんべい1000枚、30Kgの巨大かぼちゃ、激辛唐辛子104本などの“食べ切る”系企画や「できるまで終わらない」チャレンジ企画の数々。過酷な企画に、メンバー同士ときには喧嘩しながらも、体当たりで挑んできた。学ランからタキシードに姿を変えた今も、よゐこ・濱口が育てた"バラエティモンスター"の貪欲さは変わらない。

 生放送中には、彼らが出演するラジオや他局の番組スタッフも「#キスマイ10年」のタグを付け、応援や祝福のツイートを送っていた。キスマイがいかに愛され、出会いに恵まれているかを実感するとともに、きっと彼ら自身にそれだけの魅力があるのだと、改めて感じた時間だった。

 もしも10年前に彼らに、2020年9月21日の出来事を伝えられるとしたら。きっと半信半疑ながらもめいっぱいに喜ぶだろう。けれど、伝えない。彼らには、ひとつひとつ全力で掴み取ってきてほしいから。

 たくさんの愛に包まれ、3時間超に及ぶゴールデンタイムでの生放送をやり遂げる未来が、君たちを待っている。

 だからそのまま、ここまで走り続けてほしい。そして、これから先もずっと。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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