風男塾が語る、“男装ユニットのパイオニア”としての決意 「王者の風格を見せつけたい」
“人を元気にする”をコンセプトに、男装ユニットのパイオニアとして活躍する風男塾。コロナ禍で思うように活動ができない中でも、『風男塾ライブ「SINGLES 2020」』の開催やSNSでの発信など、常に笑顔を届けてきた彼らが、9月23日、ニューシングル『笑う門に明日は来る』をリリースする。今作は4人体制になって初のシングルであり、来年3月に卒業を控える愛刃健水が参加する、残り少ない作品でもある。リアルサウンド初登場の個性派メンバー達に、今作の制作秘話や今の心境を自由に語ってもらった。(斉藤碧)【記事最後に読者プレゼント情報あり】
「(風男塾は)太陽のように輝いている存在」(偉舞喜雅)
ーー初登場ですので、まずはみなさんのキャラクター紹介をお願いします。
愛刃健水:愛刃健水です。A型で、大阪府東大阪市出身。最年長ということで、メンバーからは“お父さん”と呼ばれているんですが、最近はいじられ始めまして、ちょっと悩んでおります(笑)。でも、グループのムードメーカーであり、愛されキャラだと思っています。
紅竜真咲:俺は見ての通り、これからの音楽業界を背負うビジュアル担当ですね。でも、好きな食べ物はイチゴ。そういう可愛いギャップがあるのも、アピールポイントだと思います。俺と出会った人は俺のことを好きになると思うので、気をつけてください(キラースマイル)。
神那橙摩:真咲さんは担当カラーが赤なので、いつもイチゴ好きをアピールしてるんですけど、実際はマンゴーが好きなんですよ。
愛刃健水:端的に言えば、ビジネスイチゴのナルシストキャラですね。
紅竜真咲:オイ!(笑)
ーーお兄さん達に対して、年下組のおふたりは?
神那橙摩:神那橙摩です。A型の北海道出身です。好きな食べ物は白米です。食べたらお腹が破裂するみたいに出ます。いつか、そのお腹を観に来てください。あと、メンバーからはベイビーって言われるんですけど、俺はベイビーじゃないです。
愛刃健水:ベイビーじゃなくて何なの?
神那橙摩:大きい大人……?
紅竜真咲:巨人!?
一同:(笑)
偉舞喜雅:そして、風男塾の末っ子、偉舞喜雅です。A型で佐賀県出身の佐賀代表です。歌ったり、踊ったりするのが好きなので、この職業には向いていると思います。みんなをたくさん笑顔にしていきたいと思います。よろしくお願いします。
ーー面接さながらの自己紹介、ありがとうございます(笑)。風男塾は男装アイドル総合エンタテインメントプロジェクト“dreamBoat”の一員でもありますが、ael-アエル-やEUPHORIAといった他のユニットもいる中で、どういう立ち位置で活動しているんですか?
愛刃健水:ちょうど先日、『dreamBoat #だんぱら_フェス2』というイベントをやらせていただいて、その時に他のユニットのメンバー達と久しぶりに会えたんですけど。とくに今回は、全ユニットシャッフルのコラボがあったので、リハーサルなどでも他のユニットのメンバーと接する機会が多かったんですよ。その中で俺は、dreamBoatの最年長としてみんなの成長を実感したり、逆に自分の体力の衰えを感じつつ、まだまだ頑張らないとなって気合いを入れ直したりしました(笑)。でも、雅と橙摩に関しては、『だんぱら』に参加するのも初めてだったので、楽しいだけじゃなくて、必死な部分もあっただろうなって思いますね。……他のユニットのみんなと話した?
偉舞喜雅:話しました! 他のグループもそれぞれ、そのグループにしかない色があって、これからさらに深く関わっていったら、もっと新しいものが生まれそうだなって思いました。
紅竜真咲:プロデューサー目線だな(笑)。
愛刃健水:雅から見て、風男塾はどんな存在なの?
偉舞喜雅:太陽のように輝いている存在です。でも、他のユニットのみなさんと話してみて、もっと自分達の色や個性を出していきたいなと思いましたね。俺や橙摩からしたら、他のユニットのみなさんも先輩にあたるんですけど、俺達も負けないぞ! という気持ちが強くなりました。
ーー橙摩さんは、2組に対してどんな印象を持っていますか?
神那橙摩:ael-アエル-さんは一人ひとりの個性がすごく強いんですけど、みなさんが集まると大人の色気があって、そのギャップに驚きました。EUPHORIAさんは、バッキバキに踊ってる人達というか(笑)。元気な印象で、ダンスで伝えるのが上手なグループだなと思います。どちらのユニットからも学ぶことが多かったですね。
紅竜真咲:結成13年とはいえ、メンバー各々の活動歴を考えると、今の風男塾はまだ新人ですからね。でも、男装ユニットのパイオニアとして、王者の風格を見せつけたい、という気持ちも強く感じています。
ーーその一方で、歌やダンスで長年メンバーを牽引してきた健水さんは、来年3月で卒業することが決まっています。もともとは2020年いっぱいでの卒業を予定していた健水さんが、どのような経緯で卒業延期を決めたのか、改めて教えてください。
愛刃健水:最初に卒業を発表させてもらったのは去年末なんですが、その時は、まさかコロナでこんなにも状況が変わってしまうとは思っていなくて。今年の活動もメンバー総出演の舞台(『Believe~遙かなるプロキオン~』)から始まったので、これから卒業に向けて、1年かけていろいろなことができるんだろうなって思っていたんです。そしたら、予想に反してこんな形になってしまったので、正直、どうしようかな……と思いましたね。
でも、自粛期間中に、改めて自分や風男塾について考え直したら、やっぱりこのまま終わることはできないんじゃないかな、と。2人(橙摩・雅)も今年1月に入ったばかりで、ライブもまだ一緒にできていない状態だったし、ここまで風男塾を受け継いできた身として、先輩達や応援してくださっているファンのみなさんの想いも感じているので、自分にもまだやれることがあるんじゃないかと思い、卒業延期を決めました。俺がいられるのは来年の3月までですが、残るメンバーやファンのみなさんに、「風男塾のこと、後は頼むよ!」ってちゃんと伝えられる期間にしたいなと思っています。
ーーそして、新体制になってから初となるシングル『笑う門に明日は来る』がリリースされます。表題曲は風男塾のコンセプトを象徴するような、底抜けに明るいナンバーですね。
紅竜真咲:そうですね。ただ、曲調は爽やかでポップなんですけど、歌詞ではすごく深いメッセージを伝えていて、そこに風男塾らしさを感じました。明るくてカッコいいだけじゃなくて、聴いている人を包み込むような優しさもある、そんな楽曲になっていると思います。
愛刃健水:今は風男塾が始動した頃に比べると、男装ユニットも増えてきていると思うんですけど、セクシーな感じのグループが多いなって思うんですよ。でも、風男塾の良さは、バラエティに強かったり、ナチュラルにみなさんと近づけるところだと思っていて。それがこの曲にもすごく詰まっていますね。それでいて、今のご時世にもピッタリ。自分達が先陣を切ってみんなを笑顔にしていくんだ! という気持ちを伝えられる曲だなと思っています。
ーーこの曲は、すでにライブ(『風男塾ライブ「SINGLES2020」』)でも披露されましたが、手応えはいかがですか?
愛刃健水:今はコロナの感染拡大を防ぐために、お客さんは声を出すことができない状態なんですが、自分達も徐々にその環境に慣れてきて。ファンのみんながどんな気持ちで観てくれているのか、どうすれば楽しんでくれるのか、感覚的にわかってきましたし、パフォーマンスしていてすごく楽しかったです。
偉舞喜雅:とくにサビが盛り上がりますね。すごく前向きな歌詞で、〈ジャンプジャンプジャンプ!!〉って歌いながら、両手を上に挙げるんですよ。そういうふうに、ファンのみんなも一緒に踊れる振付が多いから、声が出せなくてもすごく盛り上がりました。
神那橙摩:〈ジャンプジャンプジャンプ!!〉の前に〈手あげて〉って号令をかけるのは俺の役目なんですけど、実際にライブでみんながサイリウムを挙げてくれた時は嬉しかったですね。レコーディングでも、みんなの笑顔を思い浮かべながら、俺自身も笑顔で歌っていたんですけど。想像していた以上に楽しかったし、この曲でみんなが1つになれた感じがしました。
偉舞喜雅:それは俺も感じましたね。個人的には、〈共に行こう!!太陽目指し!!〉(いきなり歌い出す雅)……ここも好きです。
愛刃健水:急に歌い出した(笑)!
ーー真咲さんと雅さんのラップの掛け合いもカッコいいですね。
紅竜真咲:ありがとうございます。ラップ自体は初めてというわけではないんですけど、ラップパートとしてちゃんと届けるのは今回が初めてで。歌にはないラップの良さというか、言葉がストレートに伝わってる感覚もありますし、雅との掛け合いも今までの風男塾にはなかった新しい魅力だなと思います。
偉舞喜雅:ラップは今後も挑戦していきたいですね。