上白石萌音と清原果耶、共通点は歌声の“透明感”に それぞれの作品における清らかな音楽世界

 透明感のある歌声のシンガーといえば清原果耶にも注目したい。公開中の映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』で主演を務める清原。この映画の主題歌はシンガーソングライター・Coccoが作詞作曲プロデュースをし、清原自身が歌唱を務める「今とあの頃の僕ら」。彼女の1stシングル曲でもある同曲は、シンプルなピアノの旋律が生み出す壮大な情景が印象的な1曲だ。演奏中盤からグッと音数が増えるダイナミックなアレンジは、選び抜かれた歌詞のフレーズを大切に、そして噛み締めるように放つ彼女の歌との親和性も高く、その壮麗な世界観は聴く者を惹き付けて止まない。

清原果耶 - 1st Single「今とあの頃の僕ら 」(Music Video)

 また、1stシングルのカップリングに収録された「君に見せる景色」は、ピアノサウンドを中心に据えながらも歪んだギターが絡み合う、重厚なサウンドが印象的な1曲。この曲のミュージックビデオでは清原がコンテンポラリーダンスを披露したことも話題となっている。コレオグラファーにパフォーマンスグループ、s**t kingzのOguriをフィーチャー。清原の持つしなやかな身体性とそれに裏打ちされた表現力が前面に押し出されたダンスは、一見しただけでその凄みに圧倒される。彼女の透明感のある真っ直ぐな歌声、そして迫真のダンスに秘められたタフな情熱を感じて欲しい。

清原果耶 - 「君に見せる景色 」(Music Video)

  上白石萌音、清原果耶。この2人に共通する魅力は歌声の透明感だ。上白石の温もりのある瑞々しい歌声と、清原の力強さに溢れ凛とした歌声。何にも穢れていない、清く伸びやかで透き通るような彼女たちの歌声は、聴く者を魅了する表現力と表現者としての誠実さに溢れている。彼女たちが生み出す混じり気の無い清らかな音楽世界をぜひ堪能してほしい。

■ふじもと
1994年生まれ、愛知県在住のカルチャーライター。ブログ「Hello,CULTURE」でポップスとロックを中心としたコラム、ライブレポ、ディスクレビュー等を執筆。
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