ザ・コインロッカーズ(下島輝星&船井美玖&森ふた葉)×ねお特別対談 初コラボTikTokアルバム制作秘話やZ世代のSNS観
ザ・コインロッカーズが、TikTokアルバム『群青ミラージュ』を完成させた。同アルバムは、7月31日にリリースされたデジタルシングル「夢がない僕が夢をみたんだ」(作詞:前山田健一、作曲・編曲:板垣祐介)からはじまり、15日間で新曲15曲を毎日TikTokで更新していくというもの。TikTok上では楽曲と共に、メンバーによる演奏やダンス映像もあわせて投稿。その振り付けや映像撮影・編集のプロデュースをインフルエンサー・ねおが担当している。
TikTokから新たなヒット曲やアーティストが発掘される昨今。未だ例をみないTikTokアルバムという意欲的な取り組みをメンバーはどのように捉え、ねおとの制作に臨んだのか。今回、リアルサウンドではTikTok動画の撮影現場を訪ね、メンバーの下島輝星・船井美玖・森ふた葉×ねおの対談を企画。制作直後の4人に、お互いの印象や撮影のエピソード、デジタルネイティブ世代ならではなのSNS観について語ってもらった。(編集部)
ねおさんは世代的にもドンピシャすぎて(森)
ーーねおさんはザ・コインロッカーズに対してどういう印象を持っていましたか?
ねお:アイドルじゃないですけど、心の綺麗な女の子たちみたいな。まっさらというか、水色で爽やかなイメージがすごくあります。
ーー実際にお会いして、その印象はより強くなった?
ねお:はい。撮影はみなさん全員とではなくて1対1が多かったんですけど、話していく中で「あ、意外とサバサバしているんだ」とか「思ったよりもフワフワしているんだな」とか、1人ひとり全然違っていたのですごく楽しかったです。
ーー同年代の女の子を撮ってプロデュースするような機会は、これまでなかったんですか?
ねお:同年代の子たちと喋ったりすることはもちろんあるんですけど、こうやって自分が動画を撮るとか、その内容を1から考えるようなことは今までなかったんです。なので、今回は曲を何度も聴いたり、1人ひとりの顔を見たり、SNSを見たりしながら、その子のイメージに合うような動画を作るように心がけて。最近で一番頭を回転させたかなって思います(笑)。
船井美玖(以下、船井):ありがとうございます!(笑)
ーー実際に撮影の様子も拝見しましたが、すべてご自身で撮って、それを編集するわけですよね。
ねお:そうなんです。さっきも撮影の合間に編集していました。今まではカメラで撮ったものをTikTokに移していたんですけど、まさかTikTok動画をアルバムとして出すという発想はなかったですね。なので、1曲1曲のイメージを壊さずに、どれも違った内容になるように編集するつもりです。
ーーザ・コインロッカーズの皆さんはねおさんにお会いして、どういう印象を持ちましたか?
船井:私はTikTokでずっと見ていた側だったので、「わっ、ホンモノ!」というところから始まったんですけど、今回ねおさんに撮っていただくことが決まってからすごく楽しみでした!
下島輝星(以下、下島):私の第一印象は「とんでもなくスタイルがいいな」と(笑)。私もずっとTikTokで見ていたので、お会いしたときは「あ、実在する!」と驚きました(笑)。そんな方にプロデュースしていただいて動画を撮ってもらえるということが本当にうれしくて、最初は信じられなかったです。
森ふた葉(以下、森):中学生の頃にMixChannelをたくさん見ていたので、ねおさんは世代的にもドンピシャすぎて。TikTokではもちろんですけど、MixChannelの頃なんてもう雲の上の人だったので、こうやってザ・コインロッカーズに入ったことでねおさんと一緒にお仕事ができるというのは、テンションあがりました。
ねお:ミクチャから知っている人はなかなかいないので、相当昔から知っていてくれたんですね。うれしいです!(笑)
振り付けを見ただけで歌詞がわかるように(ねお)
ーー同年代だけどちょっと違うシーンにいる人たちが、こうやってコラボするのは面白い試みですよね。
ねお:不思議というか。みんな若いので……。
船井・森・下島:いやいやいや!
ーーほぼ同い年じゃないですか!(笑)
ねお:年齢は近いんですけど、自分はどこか年老いている部分があるので、キャピキャピ感が違うというか(笑)。皆さん純粋に撮影を楽しんでくれているのを見て感じたので、元気をもらって若さを取り戻せたような気がします(笑)。
ーー本当に1人ひとりと、1対1で撮影しているわけですものね。
ねお:はい、人見知りながら頑張りました。
ーーあ、人見知りなんですね?
ねお:もともと目も見られないぐらい人見知りなんです。
船井・森・下島:えーっ!?
ねお:なので「どうしよう?」と。大人数の中で話すのは得意なほうなんですけど、1人ひとりと目を見て話すのが苦手なので、ここまではなんとか隠せていたと思います。
船井:全然知らなかったです!
ーー実際、撮影してみていかがでしたか?
船井:ねおさんが送ってくださった動画を観て振り付けを練習していたんですけど、いざ撮影に入るとすごく緊張してしまったんです。でも、「わっ、どうだったかな?」と迷っているときに、私の前でねおさんがずっと一緒に踊っていてくださって。
下島:そうそう!
船井:そこで、私はひとりじゃないなと思えて安心しました。私、振りを覚えるのが得意じゃないほうなので、わからなくなってもチラッとねおさんを見て踊れたので、本当に心強かったです。
ねお:かわいい(笑)。
森:私も今日はダンスをやったんですけど、まずTikTok用に考えた振り付けの動画を送ってくださって。ファン目線でいったら「ものすごい方が、私のためだけに撮った動画を送っていただいている」……まずそこから入るじゃないですか!(笑) 今朝も電車の中でも何度も観てから撮影に臨んだんですけど、めちゃめちゃ緊張していたのに1回撮ってすぐ褒めていただけたので、本当にうれしかったです。
ーー憧れの人に褒められたわけですものね。
森:はい! 本当に感無量です!
下島:私の場合はギター演奏だったんですけど、途中で雨が降ってきたんですよ。周りのスタッフさんは「早く終わらせなくちゃ」という雰囲気になっていたんですけど、ねおさんはすごく優しく、かつテキパキと指示してくださって。しかも「すごい!」とか「完璧!」とかいろいろ褒めてくださるので、それが本当にうれしくて。一言一言がありがたかったです。
ーー確かに、ほかのメンバーの撮影の様子を拝見していたときも、撮り終わったあとに「かわいい!」と声をかけていましたよね。
ねお:皆さんすごいんで、自然と出ちゃうんですよ。撮っている側ではあるんですけど、いちファンとして「かわいいなあ」と心の底から思うと、言わなきゃというより口からポロッと出ている感じなので、それを褒めていただけるとは思ってなかったです。
ーー学校を使った撮影もねおさんのアイデアなんですよね。
ねお:そうです。「ザ・コインロッカーズ=学校」みたいなイメージがあったのと、空みたいに開けている景色を撮りたかったので、学校で撮ったらまとまりが生まれるし、ザ・コインロッカーズさん1人ひとりの良さを見せられるかなと。学校以外に思い浮かばなかったので、決まってよかったです。
ーー学校というシチュエーションをベースに、曲とメンバーを照らし合わせて、そこから動画の内容をイメージしていったんですか?
ねお:ですね。「撮るなら学校のこういう場所がいいのかな?」とか考えて。アルバムの曲から4つくらい振り付けを考えたんですけど、踊る子のことを考えつつ背景をイメージしたり。それと、振り付けを見ただけで歌詞がわかるようにしたほうがいいなと思ったので、歌詞と照らし合わせて考えました。例えば「ソーダ水の恋」だったら、ソーダ水の入ったコップを自分で作るような振り付けにしたり。それにしても、振り付けを一気に4つも考えたのは初めてでしたね。ねおが考えるとねおっぽい動きが詰まっちゃう気がしたので、どうやったら被らないんだろうって悩みました。自分も12、3年ダンスをやっていたので、その頃の動きを1つひとつ思い出して、「早く送ってあげないと、みんな覚える時間が足りなくなっちゃう」って焦りながら2日ぐらいで考えました。
船井・森・下島:ありがとうございます!