ザ・コインロッカーズ(下島輝星&船井美玖&森ふた葉)×ねお特別対談 初コラボTikTokアルバム制作秘話やZ世代のSNS観
最近は「友達と遊ぶ=SNSで見たことを話す」みたいになってる(ねお)
ーー「夢がない僕が夢をみたんだ」をはじめとする新曲15曲が『群青ミラージュ』と題したアルバムとして、TikTokにて1曲ずつ15日間連続で公開。ザ・コインロッカーズにとってはこれが初めてのアルバムですが、その発表方法が画期的ですよね。
船井:動画に登場するメンバーも毎日違うし、かつその動画のプロデュースをねおさんにやっていただくということで、大きな話題になったらいいなと。全然やったことのないことなので、ちょっとでも広まったらいいなと思いますね。
ーー短い尺で連日投稿されるのも、受け手側にとって観やすいですしね。
ねお:TikTokで4分ぐらいになると「あとで見ようかな」と思ってしまうし。その場でパパッと観られるのがTikTokの良いところなので、1曲の中から「ここ!」というポイントを厳選して撮りました。1人ひとりの顔もしっかり映しているので、みんなの愛嬌が見られる場になっていたらなと思います。
ーー皆さんはSNSが気づいたら日常にあった世代的かなと思います。
森:そうですね。
ねお:以前だったら「友達と遊ぶ=ゲーセンに行く」とかそういう感じだったかもしれないけど、最近は「友達と遊ぶ=SNSで見たことを話す」みたいになっていて。SNSがあるおかげで外に出る子がどんどん少なくなっているじゃないですけど、外でわちゃわちゃ遊ぶよりはカフェでゆっくり話すことが増えている。SNSは当たり前じゃないですけど、逆にやっていない子のほうが……。
船井:いやあ、少ないですね。
森:メンバーもみんな、楽屋でTikTokを観ていますし。
ーーもはやコミュニケーションツールというよりも、共通の話題で盛り上がるためのネタを提供する場に移り変わっているのかなと。
ねお:うん、それはあると思います。
船井:SNSは最先端のことを知る場という感じかな。全然知らなかったこととか、みんなの間で話題になっていることが多いと、大体が「TikTokのこれが〜」ってことばかりで。今はTikTokとかYouTubeの話題を中心に回っている気がします。
下島:音楽の窓口としての役割も、今はTikTokが大きくて。TikTokで流行っている曲が今や『ミュージックステーション』で流れることも多いし。それぐらい影響力が強いんじゃないかと思っています。
船井:驚いたのが、LINE MUSICのランキングで1位から10位までがほぼTikTokで流行っている曲で、バズるってこういうことなのかって思って。
ーーとなると、ザ・コインロッカーズもこのアルバムでドカンと盛り上がりたいですよね。
森:本当にそうなって欲しいです!
下島:こればかりは切実です。TikTokで盛り上げたいです!
少しひねくれた感じや焦燥感があるところもコイロカらしい(船井)
ーーアルバムからのリードトラックとして、「夢がない僕が夢をみたんだ」が7月31日に配信リリースされました。前作『僕はしあわせなのか?』から短いスパンで新曲が届けられましたね。
船井:そうなんですよ。前作が約1年ぶりのシングルだったので、今回は早いスパンで出させてもらえることでいい状況を作れるんじゃないかと思っています。
ーーしかも、夏にふさわしい爽やかな1曲に仕上がりました。歌詞の中の主人公は過去の楽曲のようにどこかもどかしさを抱えているんですよね。
船井:毎シングルそうなんですけど、本当にこの疾走感こそがザ・コインロッカーズらしさというか。歌詞の〈あいつらみたいに「普通」になること〉とか、ちょっと嫉妬が入りつつ、そんな中でも青春したいという思いが真っ先に来ていて。夏らしい爽快感とあわせて、そういう少しひねくれた感じや焦燥感があるところも、ザ・コインロッカーズらしいのかなと思います。
ーーそういう意味では、ザ・コインロッカーズの今も投影されていると。
船井:かもしれませんね。あと、今回の歌詞は特に今年の夏……「この夏」にぴったりだなと思っていて。コロナ禍の中で本当は青春がしたい主人公が、周りが青春している中で自分だけが置いていかれる感じが、歌詞の中にもある「焦燥感」という言葉にも表されていて、そこが「この夏」にぴったりだなと思っているので、ぜひ今年の夏にこそ聴いてほしい曲ですね。
ーー何年後かに「あの2020年の夏」を思い出す1曲になったらいいですね。
船井:いや、本当にそうなっていただきたいです!