秦 基博の原点、F.A.D YOKOHAMAでの配信ライブの見どころ 歌を中心に自由な発想で進化してきたキャリアも振り返る

秦 基博、配信ライブの見どころ

 昨年12月にリリースされた最新アルバム『コペルニクス』についても、改めて記しておきたい。2017年のデビュー10周年イヤーの後、自らの音楽性をさらにアップデートすべく、試行錯誤を繰り返してきたという秦。より自由な発想で、作りたい曲を作るというスタイルによって制作されたのが、約4年ぶりのフルアルバム『コペルニクス』だ。打ち込みを軸にしたトラックと叶わぬ恋をモチーフにした歌詞が一つになったシングル「Raspberry Lover」のほか、2000年代後半のR&Bやヒップホップのテイストを感じる「Lost」、初の卒業式ソング「仰げば青空」、叙情豊かな旋律を持つ「花」など多彩な楽曲が収められた本作は、彼の音楽世界がさらに深みを増していることを告げている。また、恋愛、仕事をはじめとする人生の機微を映し出す歌詞もこのアルバムの魅力。人の感情が動く瞬間を映像的に捉え、普遍的な歌に導くスキルは、本作によってさらに磨かれたと言っていい。

秦 基博 - Raspberry Lover Music Video
秦 基博 / 仰げば青空 Music Video
秦 基博 - 「花」 Music Video

 メロディ、歌詞、ボーカルの全てにおいて、進化と変化を続けている秦 基博。今回の無観客配信ライブ『Hata Motohiro Live at F.A.D YOKOHAMA 2020』ではおそらく、親しみのあるヒット曲から最新作『コペルニクス』の収録曲まで、幅広い楽曲が歌われるはず。また、「F.A.Dに実際に来て、ライブを観ているかのような配信にしたい」というコンセプトもあり、フロアから眺めているかのような臨場感のある映像も期待できそうだ。実際にF.A.Dでライブを行えばチケットの争奪戦は必至だが、配信というスタイルであればキャパシティの何倍もの観客がリアルタイムでライブを堪能し、同じ時間を共有することができる。言葉、メロディ、声、ギターの音色が絡み合い、リスナーそれぞれの記憶や思い出を呼び起こしながら、心地よく、切ない感動に包まれるーー秦の弾き語りでしか味わえない音楽体験を多くのオーディエンスと共有したいと思う。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■公演概要
『Hata Motohiro Live at F.A.D YOKOHAMA 2020』
2020年8月27日(木)20:00~開演
※8月30日(日)23:59までアーカイブ配信あり

<チケット情報>
・価格:¥2,500(税込)
・チケット販売期間:7月31日(金)18:00~8月30日(日)18:00
お申し込みはこちら
・配信サイト:Streaming+
視聴方法はこちら

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