Upsammy、Chari Chari、Francois K.……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜10選
スウェーデンはストックホルムのアンダーグラウンドテクノの雄、スカッジ(Skudge)ことエリアス・ランバーグの4年ぶりの3作目が『Time Tracks』(Skudge)。アナログ機材を駆使した骨太なビートとドライでクールな上モノが反復する、無愛想きわまりないミニマルテクノですが、螺旋階段を上っていくように、反復・循環を繰り返しながら徐々に上り詰めていく快楽は、この音楽でしか味わえないものです。
UKのレディオ・スレイヴ(Radio Slave)ことマット・エドワーズの新作『Radio Silence Part One』は自らのレーベル<Rekids>から発表。多様なアプローチをする人ですが、今作は90年代のデトロイトハードテクノ全盛期を思わせるミニマルテクノを展開。疾走する四つ打ちと明滅する電子音が荒れ果てた都市の風景を浮かび上がらせるよう。個人的には最近のインダストリアル色濃いハードテクノとひと味違うサウンドが、とても新鮮に聴けました。ピリリと引き締まった緊張感のある音が刺激的です。
インダストリアル色濃いハードテクノなら、ハンブルグの女性DJ、ヘレナ・ハウフ(Helena Hauff)のミックスアルバム『Kern Vol. 5』(Tresor)がおすすめ。「Kern」はドイツの名門レーベル<Tresor>のDJミックスシリーズ ですが、強烈にドライブするヘヴィでノイジーでクレイジーなハードコアミニマルは強烈のひとこと。クラブで暴れたくなりますねえ。