「Brush!!」インタビュー
神宿 一ノ瀬みかに聞く、自分らしくあるために貫き通す信念「いつもポジティブな存在であることが私の個性」
神宿が7月29日に新曲「Brush!!」を配信リリースした。同曲は今年配信されたユニット曲「Erasor」「SISTERS」に続く、神宿の新機軸が垣間見えるサマーチューン。従来の神宿の夏曲とは一線を画す、夏らしい爽やかさと共に奥行きのあるサウンドスケープを表現した一曲に仕上がった。
7月に約3カ月ぶりとなる有観客ライブを開催、9月30日にはアルバムリリースを控える中、音楽面での多様な進化や公式サイトリニューアルに伴うビジュアルの変化を見せる神宿。グループとしても、個人としても新しいフェーズへ突入する今、彼女たちはアイドルとしてどんな未来を望むのか。今年20歳を迎えた神宿のセンター・一ノ瀬みかに、現在の率直な気持ちを聞いた。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】
自分の追い求める理想の見た目に近づいている
ーー一ノ瀬さんは4月12日に20歳の誕生日を迎えてから、これが初めてのインタビューなんですね。
一ノ瀬みか(以下、一ノ瀬):そうなんです。ちょうど自粛が始まった時期だったので。
ーー誕生日当日は生誕ライブも予定されていましたが、メンバーのリレー配信に急遽変更になりました。思いもしない状況に急変して、いろいろ考えさせられる時期だったかなと思いますが、一ノ瀬さんは実際どういうことを考えながら過ごしていましたか?
一ノ瀬:神宿ができてからの話になりますが、そもそもデビューまでが2、3週間ぐらいしかなくて、その間に3曲覚えてライブをやりましょうということになったんです。そこからはレッスン10%、ライブ90%で5年間ずっと活動してきて、ありがたいことに休みもなかなか取れないくらい忙しくなってきて。そういうことが仕事を始めてからずっと続いていて、こんなにお休みが取れることがまずなかったので、改めて自分自身をきちんと振り返ることができました。
ーー節目でもある20歳の誕生日をこの時期に迎えたこともあって、長期的に物事を考えられるきっかけにもなった?
一ノ瀬:そうですね。やっぱり20代になって、大人というか社会人として認められるようになるわけじゃないですか。なので、今まであった夢をちゃんと実現させるために、どうしなくちゃいけないのか、何が足りないのかというのを個人的に考えるべきだなと思って。チームとしての活動は年単位で全部決めているので、そこは安心して任せている部分もあるんですけど、この長くも短い人生をみんな幸せになるために生きているわけですから、そのために近道するにはどうしたらいいのかというのは……まだ答えははっきりと出ていないですけど、改めて考える機会にはなりましたね。
ーー実際、20歳になった今、例えば1年前と比べてどんな変化を感じますか?
一ノ瀬:1年前と比べると、まず変わったのが見た目で(笑)。
ーー確かにそうですね(笑)。
一ノ瀬:20歳になって初めて髪をブリーチしたんです。最初は茶髪にして、今は赤なんですけど、見た目は大きく変わったかなと思います。よく「大人っぽくなったね?」と言われるんですけど、自分の追い求める理想の見た目に近づいているという自覚があるので、「ありがとう」という感じです(笑)。
ーー(笑)。その理想像はどういうイメージですか?
一ノ瀬:常に秒ごとに更新されているところがあるので、一概に「絶対にこの人みたいになりたい!」とかはあまりないんですけど、「私の個性ってなんだろう?」と思ったときに、みんなに対しても自分に対してもいつも変わらずポジティブな存在であることが個性だと思います。
曲を作った人の深層心理が気になって興味をひかれる
ーー神宿の皆さんは昨年からYouTubeに力を入れた活動を続けています。その一環で、一ノ瀬さんはジャズスタンダードの「Fly Me To The Moon」やジャスティン・ビーバーの「Love Yourself」といったカバー曲を公開しましたが、これはどういう理由で始めたことだったんですか?
一ノ瀬:ジャズにハマッていた時期があったんですけど、「Fly Me To The Moon」はその時に好きになった曲で。それに私が好きなアニメのエンディングテーマだったので、すごく愛着があったから「いつかどこかで歌いたいな」と思っていたんです。「Fly Me To The Moon」は実年齢の私よりも大人な楽曲なので、感情移入よりも細かな表現が大切になるのかなと思って、そういったところに重きを置いて歌いました。「Love Yourself」のほうもよく口ずさむ好きな曲で、これは結構皮肉にあふれた曲だと思っていて。私、そういう曲が好きなんですよ。なので、そういうところを表現できたらいいなと思って歌いました。
ーーこの2曲のセレクトだけでも、一ノ瀬さんの強いこだわりが伝わってきます。
一ノ瀬:そうですよね(笑)。ほかにもいろいろ候補はあったんですけど、今回はみんなも聴き慣れていて、かつ私のエッセンスもちゃんと入れられるような曲を歌いたかったので、この2曲でした。
ーー先ほど「Love Yourself」のような「皮肉にあふれた曲が好き」とおっしゃいましたが?
一ノ瀬:そっちに趣味が偏っているわけではないんですけど、どちらかというと明るい曲なのにめちゃめちゃ暗い歌詞を歌っていたりとか、そういう曲が好きなんですよ。その曲を作った人の深層心理が気になって、興味をひかれるというか。だって、歌詞を書いている人と曲を書いている人が一緒だったら、「どういう気持ちでそうなったの?」って気になりません? きっとそこには、私たちの計り知れない思いが込められているんだろうなって、そのギャップに惹かれるのかもしれません。
ーーでは、塩見きらさんが作詞した楽曲で、そのへんを質問してしまうこともあるんでしょうか?
一ノ瀬:極力聞かないようにしているんですよ、塩見には。それを聞いちゃったら塩見の考えている歌い方になってしまうので、自分で解釈して向き合うようにしています。
ーーまた、一ノ瀬さんが各メンバー用の仮歌を歌っていると伺いました。
一ノ瀬:メンバーが「これだったら歌いやすいかな?」って。だから、ひとりだけレコーディングが長いんですよ(笑)。
ーーメンバー個々の声質や癖みたいなものを熟知されているから、できることなんでしょうか?
一ノ瀬:私、モノマネが好きなんですよ。なので、その延長線上です(笑)。メンバーも私の歌を聴いてからレコーディングするわけで、私っぽくなっちゃいけないですし、だったら聴いてわかりやすいほうがいいかなと思って、なるべくほかのメンバーに寄せて歌っています。