佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.18
EXO “保護者”的存在のD.O.、パーフェクトダンサー カイ、愛され“マンネ”セフン…ギャップや成長ぶりに注目
大人数アイドルグループの元祖として活躍を続けてきたEXO。各メンバーが超能力を持つという世界観を体現するような、鍛錬されたパフォーマンスで世界中を魅了してきた。
また、その人数を活かす形で派生ユニットとしても活動。組み合わせによって輝きが変わる、多彩な個性の化学反応を披露してくれた。現在は、順に兵役に行っているため、ソロとしての活躍も目覚ましい。今こそEXOの魅力を振り返り、完全体カムバックに備えようと始まったシリーズ3回目。ラストに注目するのは、D.O.、カイ、セフンの3人だ。
真の努力家でEXOの保護者存在のD.O.
小さい頃から歌が好きだったというD.O.は、高校生になると歌の大会に積極的に参加。地元の音楽大会で受賞したのをきっかけに、事務所からスカウトを受ける。もともとはバラード曲を中心に歌っていたが、2010年から練習生になると様々な音楽を聞くようになり、ダンスの練習にも励むように。「一等」が座右の銘であるD.O.のこと、その努力の形跡はEXOのリードボーカルとして活躍している姿からもおわかりいただけるだろう。D.O.の歌声には情が溢れ、柔らかなタッチでありながら、心から訴えたい強さも感じられる。その豊かな表現力が見込まれ、メンバーとしては初めてドラマのレギュラー出演を果たしたのもD.O.だった。今年2月にロードショーされた主演映画『スウィング・キッズ』では、約5カ月に及ぶ猛特訓の末に、タップダンスと北朝鮮の方言を習得し、ダンスに魅了された朝鮮人民軍ロ・ギス役を好演している。
そんな黙々と努力を続けるD.O.が、メンバーとのやりとりでふと見せる、口がハート型になる飾らない笑顔が、ファンにとってはたまらない。実は、早生まれのため1992年生まれの“ビーグルライン(子犬のように賑やか)”のベクヒョン、チェン、チャンヨルと同学年になるのだが、そのラインには入らず、むしろイタズラを仕掛けるメンバーをビシッと注意することも。一方で、薬箱を持ってきたり、夜食を作ったりとEXOの保護者的な役割を果たすエピソードも多い。努力家な部分が料理好きにも通じており「D.O.は食事に行くと僕らと話さず、ずっとシェフと話してる」とスホに暴露されたこともあるほど。軍務も調理兵として行なっているようで、兵役を終えたらまた磨き上げた腕前をメンバーに披露してくれるのではないかと期待が高まる。
K-POP界のパーフェクトダンサー・カイ
EXOの力強く色香の漂う調和の取れたダンスパフォーマンスを牽引しているのが、センターに立つカイだ。小学2年生のころからジャズダンスを、さらに4年生からバレエも習うなど、ダンスにのめり込んでいったカイ。「ダンスを生涯続けたい」という思いから、オーディションに参加。中学2年生で『SM青少年ベスト選抜大会』で合格し、事務所に入るとポップダンス、ロックダンスなどストリートダンスもマスターしていった。182cmの長身を自由自在に動かす感性、そしてダイナミックに動かした体がビシッと止まることができるのは、ジャズダンスやバレエで培ったフィジカルの強さがあってこそ。
そして、様々なダンスを熟知したゆえに自分自身の魅せ方も把握しているカイ。2019年からは練習生時代からの親友であるSHINeeのテミンらと、「K-POPアベンジャーズグループ」と称されるSuperMとしても活躍している。その実力の高さは、プロも舌を巻くほどだ。BTOB、Wanna One、BEASTなどヒット曲の振り付けを手がけてきたコレオグラファーのクォン・ジェスンもトーク番組でカイと、ASTROのラキの名を挙げて「彼らは素晴らしいボディラインを持っていて、ダンスが得意で、本当に優れた運動能力を持っています。彼らは完璧です」と称賛している。そんなパーフェクトな存在であるカイの素顔はといえば、メンバーとあみだくじ世界旅行をするバラエティ『EXOのあみだで世界旅行』で「楽しそう、楽しそう!」と足をバタバタして喜ぶ天真爛漫な一面も。モンスター級のダンスと、少年のような振る舞い。そのギャップがファンを魅了してやまない。