BEYOOOOONDS、インスタ個人アカウント開設、おうちでBuono……ハロプロ、活発化するリモート活動に注目
芸能人は人前に立つ職業。特にアイドルの場合、ライブやイベントなどファンと接する“現場”こそが活動の生命線となる。ましてやステージでのパフォーマンスに力を入れるハロー!プロジェクトは、ことさら現場主義的な傾向が強い。新型コロナウイルスの影響で公演の中止・延期が続く中、ファンも強いフラストレーションを感じながらライブ再開を渇望しているはずだ。
しかしハロプロのメンバーも、この逆境が過ぎ去るのを指をくわえながら待っていたわけではなかった。これまで見られなかった“リモート活動”を積極的に行ったことが、今、改めて注目を集めている。ファンはメンバーの知られざる一面を画面越しに知ることとなり、その一方で熱心なアイドルファン以外の層からも魅力が“発見”される場となっているのだ。
まず世間に大きなインパクトを与えたのは、ハロプロのみならずアップフロントグループ全体を巻き込んだ「リモート合唱」動画だろう。プロジェクトにはプロデューサーのつんく♂をはじめ、堀内孝雄、森高千里、KANといったベテラン勢から中澤裕子、辻希美、藤本美貴、里田まい、真野恵里菜らレジェンドOG、そして現役メンバーたちも参加。実に総勢121名でKANの「愛は勝つ」、Juice=Juiceの「泣いていいよ」、ZARDの「負けないで」と3曲を熱唱したのだった。
この動画は現在、140万回以上の再生数をマーク。続編的な扱いとして現役メンバーがハロプロ・オールスターズ名義でモーニング娘。の「でっかい宇宙に愛がある」をリモート歌唱する動画も公開された。これらの動画によって、ハロプロの「歴史の重み」「層の厚さ」「いざとなったら歌唱力だけでも勝負できる実力」といった要素を視聴者は再確認したに違いない。
そのほかにもBEYOOOOONDSメンバーが様々な特技を披露する動画企画「お家でもびよんず学校」、4グループ13人のメンバーが一斉開設した公式instagram、TikTokのオフィシャルアカウント開設と楽曲提供、メンバーによる「踊ってみた」動画、料理動画やスポーツ系チャレンジ動画など新企画を次々と展開している。そこで今回は、これまでのハロプロ系リモート活動から特に注目すべきトピックを独断でピックアップしていきたい。
1・小林萌花のピアノ伴奏に中毒者続出
ピアノという明確な武器を持つ小林萌花のBEYOOOOONDS加入は、ハロプロ全体にとっても非常に大きな戦力となっている。もちろんこれまでハロプロ23年の歴史の中ではピアノを演奏できるメンバーも大勢いたのだが、小林の場合はレベルが最初から段違い。なにせ国際コンクールで入賞した経験を持ち、当然のように高校も大学も音楽系。編曲まで自在にこなし、レコーディングでも自ら演奏して楽曲に彩りを添えているのだ。少なくてもアイドルのプロフィールにありがちな「特技=ピアノ」という代物でないことはおわかりいただけるだろう。
こうした小林の才能は、コロナ禍の自粛期間中にも存分に発揮されている。メンバーそれぞれの自宅と思われる場所で撮影された各グループのリモート歌唱動画に、小林は強力ゲストとしてたびたび登場。つばきファクトリー「ふわり、恋時計」、Juice=Juice 「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」、アンジュルム「君だけじゃないさ...friends」などをプレイしているのだ(自身の所属するBEYOOOOONDSでも「都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて」「眼鏡の男の子」を披露)。これらは普段とは違う抑えられたアレンジのため、メンバー各人の歌声の特徴がはっきりわかるというメリットがあるうえ、小林による流麗な調べに酔いしれることができる。コロナ疲れが溜まった今だからこそ、存分に癒されたいものだ。
2・生田衣梨奈、新・インスタ女王に名乗り
「モーニング娘。内にも個人のInstagramをする子が出てきました!!! 同期の譜久村聖ちゃんがやってるよ!! えりもやりたかった泣」
これは昨年6月に譜久村聖、石田亜佑美、野中美希、牧野真莉愛がinstagramを始めたときの地団駄を踏むようなブログエントリー(参照)。もともと人一倍高い美意識を持ち、若干ナルシスト気質もある生田衣梨奈だけに、自身のアカウント開設は文字通りの悲願だった(今回「Instagram個人アカウント第2弾」としてアカウントを開設することになったのは、モーニング娘。'20の生田、羽賀朱音、森戸知沙希。アンジュルムの竹内朱莉、佐々木莉佳子。Juice=Juiceの稲場愛香、井上玲音。つばきファクトリーの山岸理子、小片リサ、新沼希空、谷本安美、岸本ゆめの、浅倉樹々、以上13人だ)。
そんな生田が「女性がかわいくなるアイテム。男性の方が笑顔になるかわいい写真。世界中にかわいいを発信します」と宣言したのは5月14日のこと。それ以降、かなりの頻度でinstagramに写真をアップし続けている。そのすべてに「#えりぽんかわいい」というハッシュタグを添えているのが、いかにも押しの強い生田らしい。
それにしても驚かされるのは、卓越したセルフプロデュース能力だ。消費者ニーズを敏感に汲み取り、「アイドルが教える小顔マッサージ!」「(※ハートマーク)アイドルが教える崩れない巻き髪(※ハートマーク)」「アイドルが教えるふくらはぎの細くする方法!」など“ためになる系”のビューティー情報を連続投下。アイドルファンのみならず、同年代の幅広い層から「真似したい!」「参考になる!」と称賛の声が挙がっている。
もちろん各種コスメ情報の提供にも余念がない。中国で流行っている「ポテチ映え(ポテトチップスの袋にスマホを入れて撮影する盛りテク)」や若年層の間で一大ブームとなっている「地雷メイク(タレ目&涙袋を強調した“病み可愛い”化粧法)」といった最新トレンドにも積極的にトライ。本人の並々ならぬ気合が伝わってくる。
SNSは現代アイドルの必須科目になっているが、Instagramを与えられた生田はまさに水を得た魚のよう。「新・インスタ女王」候補の大本命が登場したと言えるだろう。