NEWSのこれからを思うーーアイドルの道をゆくものの使命と覚悟

ファンから「手越祐也」を奪う権利は、手越にさえない

 2003年にNEWSが結成されてから、もっとも変化したのは間違いなく手越だろう。「入所まもない少年」ではいられなかった理由が、急いで成長せざるを得なかった環境が、手越にはあった。

 歌唱力を磨き上げ、2006年にはメンバーの増田とともにボーカルユニット「テゴマス」を結成。彼の音へのこだわりは、ライブの音響面でも遺憾なく発揮されている。

 個性を築き上げるべく、バラエティにも奮闘した。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のレギュラー出演が決まると、過酷なロケや汚れ仕事も厭わず、何事にも体当たりした。ジョークをとばしていても、チャラチャラして見せていても、決めるときにはしっかり決める。そのために努力する。バラエティを盛り上げながらも「ジャニーズ」であり続けることを忘れなかった。

 いつも笑顔を絶やさないポジティブな姿はお茶の間で話題となり、次第に「手越祐也」という絶対的なキャラクターを確立。およそ17年前、9人組の端にいた少年が、今ではジャニーズでも指折りの知名度を誇る人気者となり、NEWSの顔へと成長した。

 手越が持つ魅力のすべては、彼が努力して手に入れたものだ。

 だからこそ、他の誰でもなく彼自身が、その魅力を大切にしてほしいと願わずにはいられない。「手越祐也」という唯一無二の存在が、これまでどれほど多くの人を笑顔に、幸せにしてきたのか。その功績までも無かったことにされてしまうようなことは、もう二度としてほしくない。

 おかしな言い方かもしれないが、お茶の間から、なによりもファンから「手越祐也」を奪う権利は、手越にさえない。一度幸せにしてしまったのだから、責任をもってずっと幸せにしてくれなくては困る。それが、アイドルという道をゆくものの使命であり、必要な覚悟だ。

 騒動に目をつぶることが愛だとは思わない。事実、多くのファンが事態を目の当たりにし、怒りや悲しみ、不安を抱いている。認められない者もいる。それらすべての感情や葛藤は、愛ゆえに生まれるものだ。

 だから今、手越を待つファン、NEWSを愛するファンを嘲笑する権利は、誰にもない。妙な噂で、いたずらに揺さぶっていい理由もない。

 愛する者を信じること、待ち続けること、希望をもつこと。それは誰にも侵されるべきではない自由なのだから。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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