屋良朝幸、「WAになっておどろうプロジェクト」振付を担当 ダンスの道を極めたジャニーズ人生を辿る
5月8日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にて、ジャニーズアイドルらによる「WAになっておどろうプロジェクト」の概要が明らかになった。
「みんなが家で踊って楽しめるダンス」をコンセプトに、毎週1組がVTRで出演し、視聴者へダンスを届けるという今回の企画。
テーマ曲には、V6が1997年にリリースした大ヒット曲「WAになっておどろう」を採用。「老若男女問わずに踊れる」「運動不足の解消になる」「騒音が少なく、自宅で踊れる」の3点を重要視した新たな振付制作を託されたのが、屋良朝幸だ。
番組サイドの依頼に対し、屋良は「ひとりで踊っているけど、他の人と繋がれる」振付をイメージ。
「横に手を開いて、繋いで輪になるような」振りがポイントだという。歌詞とリンクしたジェスチャーや、ハートマークを作る振りも印象的。オリジナルを大きく崩すことなく作り上げた振付には、V6へのリスペクトも感じられた。
簡単すぎず、難しすぎず、頭とカラダを使って「新しい」振付を覚えることは、心身の賦活にも繋がるだろう。
「WAになっておどろう」は、屋良自身、オリジナルの振付で何度も何度も踊ってきた曲。同曲の紹介映像にも、バックで踊るJr.時代の屋良の姿が映っていた。
当時14歳だった屋良が、世代を越えて愛され続ける偉大な曲に、新たな息を吹き込んだ。
ジャニーズJr.黄金期を支えた人気メンバー
1995年、ジャニーズ事務所に入所した屋良。唯一の同期は、一昨年惜しまれつつも解散したタッキー&翼のふたりだ。
身体の使い方が実にしなやかで、早くから実年齢以上の色気を放ち、年上のメンバーのなかで踊る機会が多かった屋良。長髪が似合う中性的なルックスや、踊りながらのさりげないウインクがセクシーだと注目を集め「屋良っち」「屋良ねこ」の愛称で人気を得た。
屋良の代名詞といえば華麗に宙を舞うアクロバット。その実力は、かつての人気番組『8時だJ』の人気コーナー「J-1グランプリ」で、コーチ役をつとめていた元体操選手の田中光が「体操選手になれ!」と認めたほど。Jr.のステージはもちろん、先輩ジャニーズのバックに欠かせない存在として、ジャニーズJr.黄金期を支えた。
15歳を迎えるころには、すっかりダンスの虜になった屋良。当時シンメトリーを組むことが多かった嵐・櫻井翔と、ヒップホップやハウスといったダンスのビデオを見てともに練習していたという。
『ザ少年倶楽部』の前身番組『ミュージックジャンプ』(NHK BS2)では、自ら志願し、櫻井らとともにフリーダンスを披露。当時の「ジャニーズらしさ」とは一線を画し、すでに一歩先へと進んでいた。屋良のダンスへの情熱は、筋金入りだ。
「ダンスが好き」一途な想いと信念を胸に、唯一無二の道へ
10代で「TOKYO浜松町」、20代前半にかけて「Musical Academy」と、いくつかのユニットに所属した屋良だが、青春時代の苦楽をともにしたメンバーは、嵐・大野智を除き、みなジャニーズ事務所を旅立った。
屋良は、のちにライバル役に抜擢された堂本光一主演『Endless SHOCK』への出演や、2007年に結成された滝沢秀明のプロデュースユニット「舞闘冠」メンバーとしての活動などを経て、2012年『道化の瞳』でついに舞台単独初主演のチャンスをつかむ。
その一方で、プロのダンスレッスンに通い、自身のスキルを高め続けた。2006年、堂本光一のソロコンサートにおいて楽曲「SNAKE」の振付を任されると、以降、嵐や関ジャニ∞、中山優馬やTravis Japanなどの振付を手がけるようになる。
2015年にジャニーズJr.を卒業し、ジャニーズ所属のソロタレントに。生田斗真や風間俊介、長谷川純らが「ジャニーズ所属の俳優」であるならば、屋良は「ジャニーズ所属のダンサー」だ。ダンスを主軸に表舞台に立ち続け、ジャニーズの枠を外へ外へと広げながら、振付師としてジャニーズのパフォーマンスを支えている。屋良にしか進めない、前例なしの唯一無二の道だ。
決して平坦ではなかった屋良の道だが、根底にあるのは「ダンスが好き」、その一途な想いと信念だった。
今回、事務所をあげた新企画「WAになっておどろうプロジェクト」の詳細が発表された5月6日には「屋良朝幸」の名がSNS上におどった。25年にわたる屋良の活動を思うと、感慨深くもあった。