ジャニーズの異端児 屋良朝幸、孤独を乗り越え励んだダンスの追求 連続ドキュメンタリー第2・3回を見て

「ジャニーズなめられちゃいけないなって思うんですよ」

 本番を前に食事を摂るも、ハードな動きからは想像がつかないほど少食だったが、彼の鋭い目力は戦いを前にした武士のようだった。

 連続ドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)11月8日放送回より密着しているのはジャニーズ屈指のダンサー・屋良朝幸。密着を重ねていくうちに、一人のダンサーとして、ダンスで道を切り拓く屋良の姿を目にすることができた。

ジャニーズの異端児、屋良朝幸

 屋良がリスペクトする、ダンサー・演出家の植木豪。二人は十年来の付き合いになるという。植木がプロデュースするBREAK FREEは、2018年世界最大の演劇祭『エディンバラ・フェスティバル・フリンジ』でTHE ASIAN ARTS AWARD「BEST PERFORMANCE賞」を受賞した実力派のダンサー集団だ。メンバーの一人が屋良について、「ここまで全力で動いているジャニーズの方は初めて見ました」と語った。

 屋良が総合プロデュースを担当する『THE YOUNG LOVE DISCOTHEQUE 2019』にBREAK FREEの出演が決定。彼らとの共演にあたって、植木から振り付けを教えてもらっていた。それはアイドルがステージでみせるダンスとはまた違ったジャンルで、難易度も高い。ビートボックスにあわせて、手や腕を巧み動かし、そこに上半身の動きをのせる。時折パントマイムのような動きを組み合わせた複雑な振り付けだ。苦闘する屋良。彼の挑戦は続いた。

辞めたい……進路に迷った過去「俺は15回〜20回くらいありました」

 レッスンを終えた屋良は、パフォーマーたちのハイレベルな集団に羨望の眼差しを向け、「マニアックなので後輩にここに来い、とは全く思わないですけど。むしろ来たら大変だから止めろって言うけど。それでちょっと孤独になる部分がありますからね。でも、そこを歩き出してしまったから、引き返せないんで」と、終始穏やかなトーンで語っていた。

 屋良はジャニーズJr.時代からダンスに魅了され、ダンスを主軸に活動、現在に至る。ジャニーズ界でいえば異端児とも呼べるだろう。屋良に限ったことではないが、ジャニーズJr.には人生を考えるタイミングがあるということは、歴代のアイドルたちから語られてきた。

 屋良も同様、二十歳の頃に進路について考えたという。「俺は15回~20回くらいありましたけど。単純に辞めたい! って、意味ないよねって」。ダンスに魅了された屋良は、アーティストとしてパフォーマンスをしたいと願うも、先輩からは「そういうことはデビューしてからやれよ」と言われたこともあったという。

 「そりゃできるものならしたいけど……できない人間はどうするんですか……だったら自分でやってくしかないじゃないですか」。ここで食らいつくほどでなければ生きていけない世界なのだろう。

 「こんなヤツがジャニーズなんだ、っていう見方をされたい」。屋良の思いがディスコティックの舞台へと繋がった。

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