SUPER JUNIOR シウォン、リョウク、キュヒョン……器用でマイペースな“マンネ”たち

“ブラックマンネ”キュヒョン

 SUPER JUNIORは当初、“アジアスターの登竜門グループ”というコンセプトを掲げ、メンバーをローテーションさせていく予定だった。だがファンからの強い要望により、その計画は変更になったものの、2006年6月のシングル『U』のリリース時に、キュヒョンが加入。「メンバーの入れ替えを望まない」という意見が高まっていたファン、そしてメンバーとしても、新メンバーをすぐには受け入れがたい空気が漂った。しかし、キュヒョンはその甘くて美しい声音、圧倒的な練習量がうかがえる完璧な歌いまわしで、多くのファンを魅了。高校生のころに数学で賞を獲ったこともあるなど、持ち前の頭の回転の速さでバラエティでもキレのあるコメントをし、メンバーとの距離も縮めていった。

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 かつて『親友ノート』という番組に出演した際の、メンバーに手紙を書いたシーンは名場面として語り草になっている。匿名の手紙という設定をうまく使って「僕が年下だとバレないように敬語をやめるね」と前置きしつつ、年長メンバーにタメ口&呼び捨て、そして謎の上から目線のコメントを繰り広げ、大いに笑いを誘った。さらに「お前は僕のもの」などとプレイボーイな言葉を、メンバー3人宛に書き綴ったものだから、読み上げたヒチョルが思わず手紙で頭を叩きにいく。そんなクレバーで辛口な言動で「ブラックマンネ」のニックネームが定着。すっかり愛され末っ子として受け入れられた。2007年、イトゥク、シンドン、ウニョクと共に大きな交通事故を経験。バラエティ番組『強心臓』で生死をさまよい、父親が歌声を守ってくれたこと、自分のことよりキュヒョンを気にかけたウニョク、そして多くのファンから励まされたことを語った。そして今を「2度目の人生」としてメンバーとSUPER JUNIORとして歌える幸せを噛み締めながら生きているという。

 現状、9人で活動しているSUPER JUNIOR。これだけの個性が集まれば、ぶつからないわけがない。男同士ゆえにささいなイタズラをキッカケに拳を交えるようなケンカになったり、食卓をひっくりかえすような揉めごとがあったりと、いざこざが絶えなかったと、リーダーのイトゥクは『強心臓』で振り返る。練習生時代には、最年少のウニョクが「1日で2曲の振り付けを覚えろ」というテストを課され、メンバーと一緒に教えたこともあった。テストでは少しミスがあったものの、努力を知っていたイトゥクは「よくやったと思う」と評価したところ、マネージャーに怒られたことも。奔放なメンバーに代わって何度も怒られたというイトゥク。それでも「楽しかったですよ。あのころがいちばん忘れられないとき」と笑うのだ(参考:『kiss the YouTube』)。デビューして15年、練習生時代も含めるとそれ以上の付き合いがあるからこそ、1人ひとりが臆することなく声を発し、飾らないやりとりで笑うことができる。彼らとファンが育んできた年月を踏まえながら、これからもSUPER JUNIORの新章をじっくりと楽しんでいきたい。

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