Mr.Children、一挙公開された20タイトルMVから振り返る名曲群 改めて感じる歌のメッセージとは

Mr.Children『Birthday/君と重ねたモノローグ』

 Mr.Childrenが2020年4月7日、突如自身の公式YouTubeチャンネルで20タイトルのMVを公開した。「Birthday」など新曲4曲が立て続けに発表されたばかりであり、ファンからはこの出来事に嬉しい悲鳴も。というわけで、今回はいくつかMVをピックアップし、改めてMr.Childrenの名曲を振り返っていこうと思う。

 まずはデビューシングル「君がいた夏」(1992年)。デビューとなるとド派手な曲で攻めそうなものだが、本曲は曲調もMVもどこかノスタルジック。22歳前後のメンバーが、ジェットスキーに乗ったり、全力疾走したり、自転車で海辺を走ったりと、若さ全開だ。プールサイドを歩く水着美女を目で追う姿や、田原健一(Gt)がプールに突き落とされる場面など、ユニークなレアショットも満載。Mr.Childrenにも「こんな時代があったのか」と改めて感じることができる一作だ。

Mr.Children 「君がいた夏」 MUSIC VIDEO

 楽しいといえば「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」(1995年)も負けていない。本作はMr.Childrenが音楽面でも影響を受けているとされるエルヴィス・コステロの「Pump it up」MVのオマージュだと言われ、メンバー全員がスーツ姿で演奏している。桜井がエルヴィス・コステロさながらの内股でステップを踏み、カメラに向かって奇天烈な表情で歌い上げる姿はかなり印象的で、ファンの間では有名なMVの一つである。メンバーがジェットコースターで絶叫するシーンなど、ファニーな展開から一転、Cメロに入ると謎の白い風に吹かれながら桜井がキメ顔で歌う、というギャップも楽しい。茶目っ気たっぷりのMVであるが、本曲のCD売上金などは全て阪神・淡路大震災への義援金に充てられたというところが、Mr.Childrenらしい。

Mr.Children 「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」 MUSIC VIDEO

 ライブ感を楽しめるのは、「I’LL BE」(1999年)と「旅立ちの唄」(2007年)だ。まず「I’LL BE」という曲の立ち位置から説明したいのだが、「I’LL BE」にはローテンポのアルバムバージョンもあり(「I’ll be」と表記される)、ファンの間では派閥が分かれるほど共に愛されている。そして「I’LL BE」は、筆者が知る限り本MVの撮影のために1999年に赤坂BLITZで演奏されてから、ライブで(ほぼ?)演奏されたことがない超レア曲。ライブで聴けるその日まで、MVで疑似体験して待っていたい。また本曲は〈腑甲斐無い自分に 銃口を突き付けろ 当たり障り無い 道を選ぶくらいなら全部放り出して コンプレックスさえも いわばモチベーション〉〈人生はフリースタイル 孤独でも忍耐 笑いたがる人にはキスを〉など名言の宝庫なので、歌詞も味わいながら見てもらいたい。一方、「旅立ちの唄」は〈自分が誰かわからなくなる時〉、今はいないあの人が力をくれるという歌。〈背中を押しているから〉の部分で、桜井が実際に手を前に出して押しながら歌う姿が収録されており、力が湧く作品だ。

Mr.Children 「I’LL BE」 MUSIC VIDEO
Mr.Children 「旅立ちの唄」 MUSIC VIDEO

 力が湧くといえば、Mr.Childrenを代表する名曲であり、スポーツ界を中心に多くの人が自身のテーマソングにしている「終わりなき旅」。4月13日現在、再生数が58万回を超えている。〈高ければ高い壁の方が 登った時気持ちいいもんな まだ限界だなんて認めちゃいないさ〉という歌詞に、筆者自身何度奮い立たされたことだろう。MV公開を受け、高橋栄樹監督はTwitterで「歌詞にもある通り、命を削りながら作品を作っていたのは確か。」と述べており、熱量のある作品となっている。メンバーは地下深くにいて、子供は地上にいる、という設定も人により様々な解釈ができて興味深い。曲を感じながら自分の内面に深く入っていける、上質な作品だと思う。

Mr.Children 「終わりなき旅」 MUSIC VIDEO

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