NCT 127、TWICE、ITZYら公演延期・中止などを受けたライブ配信が盛んに ファンとの心の距離を縮める役割も

NCT 127らライブ配信が盛んに

 こうしたネット上でのインタラクティブな交流は今、ファンにとってアーティストとの心の距離をよりいっそう縮める役割を果たしているように感じる。

 例えばTWICEのナヨンとモモが行った『夕食のオススメ』(参考:V LIVE)は「外出が制限されているなかでも出来るだけ“スペシャルな”ものを食べよう」と視聴者からのコメントを参考に夕食のメニューを考える内容だったが、そのリアルタイムなやり取りはまさに自宅に居ながら出来る“コール&レスポンス”状態で、3月に予定されていたTWICEの公演が中止になったことにより意気消沈していた筆者の心も癒されたような気持ちになった。

 思えば、実際のコンサートで公演レポートが上がるように、ライブ配信でもファンがそれぞれの思うハイライトシーンをピックアップし、感想とともにSNS上などで共有する動きがある。ひとつの空間が分かち合えない状況下で、オンラインのコミュニケーションによって気持ちを繋ぐライブ配信は、ある意味ではファンにとって一つの「活動現場」と言えるのかもしれない。

 ライブ配信の活発化をはじめ、いま出来る活動で対策をとるアーティストにより、シーンの様相にも変化が現れている。ボーイズグループ・MCNDが行ったオンラインでの“映像ファンサイン会”もその一例だろう。

 とは言えコンサートならではの生の感動が得られない現状は、ファンとして単純に空虚さを覚えるものであり、その思いはアーティストにとっても同じようだ。BTSのジンは、新型コロナウイルス克服応援メッセージの映像を通じて「この頃、慣れていた毎日がどれほど大きい意味があったのか、また、観客席が空っぽの舞台に立って、皆さんといる空間で呼吸する瞬間がどれくらい大切だったのか切実に感じている」と語ったが、音楽やパフォーマンスで互いに一体となれる日が待ち遠しいばかりである。

BTS (방탄소년단) 코로나19 국민 응원 메시지 COVID-19 Message [Stay Strong! Stay Connected!]

■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter

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