テレビ発アイドルに注目 青春高校3年C組、豆柴の大群らに感じる新しいグループの形
豆柴の大群
豆柴の大群は、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)内のシリーズ企画「MONSTER IDOL」発のアイドルグループとして誕生した。クロちゃんプロデュースとして始動するものの、プロデューサー解任が決定し、BiSH、BiS、GANG PARADEらが所属する株式会社WACKのもとで活動を継続。売り上げ枚数対決に続く、YouTube対決において再生回数を上回ったクロちゃんが、現在、豆柴の大群のアドバイザーとして就任している。
青春高校が2年間の放送で生徒たちの成長、出会いと別れを映し出してきたのに対して、豆柴の大群は昨年12月の企画開始から約3カ月という短いスパンの中で急成長してきたグループだ。『水曜日のダウンタウン』内のシリーズ企画「モンスターハウス」をはじめに狂人であることが知れ渡ったクロちゃんは、大量のアンチを抱える一方で、何をしても注目が向く話題の人でもある。そんなクロちゃんと『水曜日のダウンタウン』の相性の良さ、それに加え過激なプロモーションで知られるWACKの組み合わせは、結果的に1200万回という爆発的な再生回数を生み出した。
そして、豆柴の大群の特徴的なのは、オーディション番組ありきのアイドル番組ではない、元々長く続いていたバラエティ番組から突然に誕生したアイドルグループだということだ。『水曜日のダウンタウン』は、2014年から続くプライムタイムの全国ネット放送の番組。アイドルに関心のない視聴者層も巻き込んでいったことで、豆柴の大群の知名度はMVの再生回数以上に知れ渡っていることだろう。
YouTubeにないテレビの強みは、様々なターゲット層を視野に入れられることにある。個人の自由な発信が注目を集める中、テレビならではの強みを活かしたアイドルグループが誕生することにも期待したい。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter